第37回 南京事件が米国で映画化、基はあの問題本 国際問題評論家 古森 義久氏 2006年12月8日 旧日本軍による南京事件の映画が、今度は本当に米国で作られた――。 旧日本軍による南京での殺戮を題材としたハリウッド映画について、「クリント・イーストウッド監督」というその報が虚構であったことはこの連載コラムで以前に書いた。だが今度は同じ南京事件を扱った映画が本当に米国側で作られたというのである。 映画は表現の自由の発露であり、どんな題材でそれが制作されても、そのこと自体が悪いと断ずることは難しい。だが今回の映画はドキュメンタリーとされ、しかもあの悪名高い書『レイプ・オブ・南京』を土台にしたという点が気になるところである。 既に米国、日本いずれの報道でも明らかとなったように、米国の大手インターネット企業「AOL」(アメリカ・オンライン)の副会長テッド・レオンシス氏が私費2億ドル