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映画とセルクマに関するtoshi20のブックマーク (161)

  • 鉄の男たちが震える日 - 虚馬ダイアリー

    原題 Lone Survivor 監督・脚:ピーター・バーグ アメリカには鉄の男達がいる。 訓練時代に徹底的に肉体的にも精神的にも追い詰められる過酷なテストをくぐり抜け、勝ち残った精鋭のみだけが入隊を許される。それが「Navy SEALs」。 第1段階で8週間の基礎訓練過程でいきなり志願者の数をガンガン減らしていく。両手両足を縛ったまま水中に20分間放り込まれたりする「水中適応訓練」やら、低体温症の瀬戸際まで追い詰められるほどに水をかけられ、腰まで使った泥の中を数マイルボートを運んだりしながら、体力を極限まで減らしていき、しかも睡眠はたった4時間しか認められないという通称「地獄週間」は、体力を極限まで追い詰めることで、人の「性」を浮き立たせ、「仲間より自分を優先する」ような人間の隠された不適格性を露わにするという、非情なふるいにかけられた、エリート中のエリートたちだ。 彼らは2年6ヶ月

    鉄の男たちが震える日 - 虚馬ダイアリー
    toshi20
    toshi20 2014/04/06
    「ローン・サバイバー」感想書きました。
  • 「アナと雪の女王」 - 虚馬ダイアリー

    原題:Frozen 監督:クリス・バック/ジェニファー・リー 脚:ジェニファー・リー/シェーン・モリス 原案:ハンス・クリスチャン・アンデルセン『雪の女王』 偽らねばならぬ。偽らねばならぬ。なぜなら私は。普通ではない。 昨年の12月、札幌で行われた英語スピーチコンテストで日人の高校生がゲイであることをカムアウトした。日のマスコミには大きく取り上げられなかったこの話題は、海外では話題となり、逆輸入される形でネットやTwitterで話題になった。 彼は、ソチオリンピックを開催する(した)プーチン大統領がゲイの人たちの権利を制限するという法律を発布したことに触れつつ、ずっと、ゲイであることを自覚しながらも、ずっと心に秘めて生活をしてきたし、「そういう人間ではない」ように振る舞ってきたことを告白する。それでも、同級生はそれに気づき、その一部が心ない態度を取ったり、同級生の女子が心ない一言を彼

    「アナと雪の女王」 - 虚馬ダイアリー
    toshi20
    toshi20 2014/03/28
    「Frozen」感想エントリです。
  • 「それでも夜は明ける」 - 虚馬ダイアリー

    原題:12 Years a Slave 監督:スティーヴ・マックイーン 脚:ジョン・リドリー 原作:ソロモン・ノーサップ 地獄。というものがこの世にあるのならば。それはどこにあるのだろうか。 それは多分、「この世」の中にもまた存在しているのではないか、と思う。 原題は「奴隷として12年」。1841年、自由市民だった黒人であるソロモン・ノーサップさん(キウェテル・イジョフォー)というヴァイオリニストが、バイオリンの興業主として紹介された2人の白人に欺されて奴隷として売り飛ばされ、12年間を過ごす話である。 黒人でありながら、市民として生きてきたソロモン氏が、人間という「商品」として売られることの過酷さを体験する。人間を商品として売ることを容認してきた社会で普通に市民として生きることを謳歌してきた人が、同じ血の通った人間たちが、暴力とともに、知性を否定され、自由を否定され、永遠とも思える隷属

    「それでも夜は明ける」 - 虚馬ダイアリー
    toshi20
    toshi20 2014/03/19
    「12 years a slave」について書きました。
  • 今宵、吉祥寺バウスシアターで-虚馬ダイアリー

    原題:A Prairie Home Companion 監督:ロバート・アルトマン 原案・脚・出演:ギャリソン・キーラー 原案:ケン・ラズブニク 映画を見るとは何か。それは作品との「出会い」である。俺はそう思う。批評なんてくそくらえ。人も映画も、出会い方ですべてが決まる。映画とのすばらしい出会い方こそが、映画にとってもっとも重要なことだ。 そして俺がそこを訪れて、その作品に「出会った」のは、まったくの偶然だった。 いや、偶然というのは正確ではない。そこにかかっている作品は是非見たいと思っていたし、前売り券も買っていたのだが、私がまごまごしているうちに、メイン館での上映は終了し、そこでのレイトショウが都内の劇場で、その作品を見る最後のチャンスになってしまっていたのだ。 ゴールデンウィーク中(と言っても俺には関係ないんだけど)の間に行っておこうとおもいながら、気がつけばその日が最終日。 私は

    今宵、吉祥寺バウスシアターで-虚馬ダイアリー
    toshi20
    toshi20 2014/02/13
    吉祥寺バウスシアターが5月に閉館ということで、そこで見た「今宵、フィッツジェラルド劇場で」感想エントリをセルクマ。
  • 「小さいおうち」 - 虚馬ダイアリー

    監督・脚:山田洋次 原作:中島京子 山田洋次監督の新作は、恋愛に関するミステリである。 この映画の舞台となる時代は、ちょうど昭和時代の前期。昭和11年から昭和20年の終戦までである。そんな時代のとあるちょっと裕福な家庭のお話であるのだが、さて。 人と言うのは不思議なもので。 時というものを色分けして「あんな時代だった。こんな時代だった」と区分けして社会状況を「記憶」している。しかしそれは当時の時代の人からみればそこにあるのは「昨日と変わらぬように見える今日」であり、今の人間と変わらぬ今日を迎えて生きているわけである。 バブルが弾けてすぐにみんな一斉に貧乏になったわけではなく、高度経済長時代にだって貧困はあったし、公害はあったし、不景気だってあった。明日が見えないのはいつの時代にも変わりはなく、そして人と言うのは明快にすぐに変わるわけではない。昨日今日明日。すぐに時代は移ろわない。ゆっくり

    「小さいおうち」 - 虚馬ダイアリー
    toshi20
    toshi20 2014/01/28
    今年最初の更新は山田洋次監督の新作の感想です。
  • 2013年に見て「良かったな」と思った映画から10本を選んでみる。 - 虚馬ダイアリー

    どうもです。紆余曲折ありながら、今年もなんとかかんとか更新してます。 てなわけで、今年見た映画の中から「良かったな」とおもうものを10選んでみました。今年は当に、様々な傑作秀作と出会えた年で、来なら2030くらい紹介してもいいのですが、キリがなくなるので、あえて選んだ10、と思って見てくだされば幸いです。 泣く泣く削りながら、自分が「当に好きな」映画を選んだ10ということで。「あの作品が入ってない」「この作品が入ってない」ということはあると思いますが、ご容赦ください。 10位「シュガーマン/奇跡に愛された男」 シュガーマン 奇跡に愛された男 ブルーレイ [Blu-ray] 出版社/メーカー: 角川書店発売日: 2013/10/04メディア: Blu-rayこの商品を含むブログ (9件) を見る感想:遠き異国に咲いた夢 - 虚馬ダイアリー 文章を書いたり、音楽をつくったり、な

    2013年に見て「良かったな」と思った映画から10本を選んでみる。 - 虚馬ダイアリー
    toshi20
    toshi20 2013/12/31
    2013年に見た映画ベスト10記事です。
  • 「ゼロ・グラビティ」 - 虚馬ダイアリー

    原題:Gravity 監督 アルフォンソ・キュアロン 脚 アルフォンソ・キュアロン/ホナス・キュアロン 『独りで生きて 死んで なんで満足できるんですか。バカみたいよ。 宇宙は独りじゃ広すぎるのに。』(幸村誠「プラネテス」より) このブログは映画感想を基にしているのだけれど、僕が半年間掛けて、1テレビアニメの感想を週に1回、1話分を1エントリ、全26話分をまるまる使って書いていたことがある。2004年のことなので約10年前になるのだが。 正確には、2003年のNHK-BS放送を見た後に行われた、2004年から2005年にかけての、地上波での再放送を追いかけている。週に1度、必ず1話分の感想を書く。こういうアニメとの向かい合い方をしたのは後にも先にもアニメ版「プラネテス」だけである。 【関連】 プラネテス感想-虚馬ダイアリー プラネテスは26話あって、前半は巨大企業・テクノーラ社の

    「ゼロ・グラビティ」 - 虚馬ダイアリー
    toshi20
    toshi20 2013/12/23
    「ゼロ・グラビティ」感想。なんですが、多くの人がこの映画から感じた事と違う、と言う部分を言語化するのに四苦八苦しました。
  • 「キャプテン・フィリップス」 - 虚馬ダイアリー

    原題:Captain Phillips 監督:ポール・グリーングラス 脚:ビリー・レイ 原作:リチャード・フィリップス/ステファン・タルティ キャプテンの責務 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫) 作者: リチャードフィリップス,Richard Phillips,田口俊樹出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2013/10/25メディア: 文庫この商品を含むブログ (3件) を見る ポール・グリーングラス監督、待望の新作は2009年に起きたコンテナ船「マースク・アラバマ」号船長がソマリア沖での海賊に襲われた顛末を描いた自叙伝の映画化である。 世はまさに大海賊時代! というのはある漫画の一節だが。海賊である以上、そこにはひとつなぎの大秘宝やありったけの夢なんてものがあるわけでもなく、そこには冷徹なまでのビジネスが横たわる。アデン湾からアラビア海に沿って逆L字型に細長いソマリアは、まさにアフリ

    「キャプテン・フィリップス」 - 虚馬ダイアリー
    toshi20
    toshi20 2013/12/09
    「キャプテン・フィリップス」感想でございます。
  • 「いのちの記憶」に出会うまで「ペコロスの母に会いに行く」 - 虚馬ダイアリー

    監督:森崎東 原作:岡野雄一 脚:阿久根知昭 いのちの記憶 (かぐや姫の物語・主題歌) アーティスト: 二階堂和美出版社/メーカー: ヤマハミュージックコミュニケーションズ発売日: 2013/07/24メディア: CDこの商品を含むブログ (7件) を見る あなたに触れた よろこびが 深く 深く このからだの 端々に しみ込んでゆく ずっと 遠く なにも わからなくなっても たとえ このいのちが 終わる時が来ても いまのすべては 過去のすべて 必ず また会える 懐かしい場所で (二階堂和美「いのちの記憶」より) 記憶とは人生そのものである。 ボケる。というのは今のことを少しずつ「わからなく」なっていくということであるが、しかし、記憶というのはなくなるわけではなく、その取り出し方が不全を起こしやすくなっている、というものなのかもしれない。 この映画の主人公のゆういちは今から20年前に離婚

    「いのちの記憶」に出会うまで「ペコロスの母に会いに行く」 - 虚馬ダイアリー
    toshi20
    toshi20 2013/11/26
    映画「ペコロスの母に会いに行く」感想。大傑作だと思うので、セルフブクマ。
  • 「グランド・イリュージョン」 - 虚馬ダイアリー

    原題:Now You See Me 監督:ルイ・レテリエ 原案:ボアズ・イェーキン/エドワード・リコート 脚:エド・ソロモン/ボアズ・イェーキン/エドワード・リコート 僕らは「娯楽映画を撮る」ということを、僕らはもっとも簡単でシンプルなことだと思いがちだ。映画監督が作家として個性を発揮する時、それは娯楽から大きく離れることもある。 しかし、娯楽映画監督という職能を「体質」として持つ監督というのはいて、天性の「体幹」ゆえにどんなに題材が「娯楽」から遠くても、その監督の素地がしっかりしていれば、映画はきちんと「娯楽映画」となる。 娯楽映画とは「その監督の肉体」によってそうであるか、そうでないかが分かれる事があるのではないかと思う事がある。 ダニー・ザ・ドッグ [Blu-ray] 出版社/メーカー: ソニー・ピクチャーズエンタテインメント発売日: 2008/02/22メディア: Blu-ray

    「グランド・イリュージョン」 - 虚馬ダイアリー
    toshi20
    toshi20 2013/10/29
    「グランド・イリュージョン」感想。大好きなので、セルクマ。まどマギのついでに見るのもいいかもよ!
  • 「サイド・エフェクト」 - 虚馬ダイアリー

    原題:Side Effects 監督:スティーブン・ソダーバーグ 脚:スコット・Z・バーンズ 世界と対峙するとき、僕らには常に予断がある。 数多ある事象から見たいものを見て、自分の都合の良いものだけを選び取って、それを世界と認識している。だから、時に、その予断を越えた事態に遭遇したとき、戸惑い、翻弄されて、そして絶望する。 この映画は、ある女の「予断」が産んだ話である。 幸せな結婚。これから歩むはずだった最高の人生。夢想は広がる。その夢想は一瞬のうちに、現実に飲み込まれていった。 この物語は、そんな彼女の「予断」が招いた人生の「副作用」から始まる。 若く美しい女性、エミリー(ルーニー・マーラー)は実業家の夫・マーティンのインサイダー取引によって逮捕され、幸せの絶頂から突き落とされた。夫が収監中に精神に変調を来し、医師からは病と診断された。夫の出所後に少しずつ快方に向かうかと思われた矢先

    「サイド・エフェクト」 - 虚馬ダイアリー
    toshi20
    toshi20 2013/09/20
    ソダバーグのフィルモグラフィーの中でも屈指の傑作だと思います。オススメ。
  • 「紅の豚」以後から始める「宮崎駿」の話 - 虚馬ダイアリー

    「美少女は世界の宝だぞ!」 というわけで、「風立ちぬ」公開からしばらく経って、色々な意見を読んだ上で、色々思っていたことを書きたいと思う。宮崎駿の作品の中で締める「紅の豚」の重要性について、である。 【関連エントリ】 「風立ちぬ」感想:うごめく世界の片隅で「風立ちぬ」 - 虚馬ダイアリー シンプルな娯楽アニメーションの魅力が横溢していた時代を指して宮崎駿の全盛期と呼ぶ人は多い。「未来少年コナン」から「魔女の宅急便」あたりまでの作品は必ず人気ランキングでも上位にい込むことが多い。 しかし、である。当に宮崎駿が「映画作家」として映画と対峙するようになるのは「紅の豚」以降なのでは無いか、と僕は思ったりする。 宮崎駿という「作家」を語る上でふと思うのは、当に「受け」とか関係なく、作りたいものを作る、という環境に初めて巡り会えた時、宮崎駿が作ったのが「紅の豚」なのだと思う。「飛行機」「自意識を

    「紅の豚」以後から始める「宮崎駿」の話 - 虚馬ダイアリー
    toshi20
    toshi20 2013/09/06
    宮崎駿監督引退報道や「紅の豚」放映急遽決定のニュースを知らずに書いたエントリだったが、色々符号してしまう内容になってしまった感じが面白いのでセルクマ。
  • 「ワールド・ウォーZ」 - 虚馬ダイアリー

    原題 World War Z 監督:マーク・フォースター 原作:マックス・ブルックス 脚:マシュー・マイケル・カーナハン そもそもZとはなんなのか。マジンガー、ももいろクローバー、ドラゴンボール。Zはいろいろあるけれど、この映画のZはなんかそういうのとは明らかにちがう。なんだ?Z。 これがね、映画配給会社によって言っちゃいけないことになってるらしいんで、じゃあどうしようかと。「ハリーポッター」のヴォルデモートか、ゴキブリ嫌いの人にとってのGとか、まあ、名前を言ってはいけないあのZ。略称ならいいけど、みたいな。Z。なんだろうZ。世界大戦で、しかもZ。 まあ、ゾンビです。ゾンビです、ええ。ゾンビだZ(ゼット)! パンデミック&ゾンビという合わせ技で、噛まれて10秒経ったら即Z。しかも、人のポテンシャル以上の全速力で人を追いかけてきます。超こわい。映画が始まった時には「よーいドン」ですでに事

    「ワールド・ウォーZ」 - 虚馬ダイアリー
    toshi20
    toshi20 2013/08/19
    「ワールド・ウォーZ」感想。エントリ名はブラピのある行動からの発想です。元ネタ知らないとなんのこっちゃですが。
  • 「マジック・マイク」 - 虚馬ダイアリー

    原題 Magic Mike 監督:スティーブン・ソダーバーグ 脚:リード・キャロリン この間、久々に地元の花火大会を見に行った。いつもは閑散としてるのに、その日だけは親の仇のように人が集まった河川敷でぼんやりと花火を見ていると、高揚しつつもどこか寂しさを抑えきれない。終わった後のなんともいえぬ寂寥感は筆舌に尽くしがたい。 高揚とやがて来る奇妙な寂しさ。祭りや花火は、その心のアップダウンがある気がする。夢から覚めて、ふと気がつく、ここは祭りの前から続く「現実」なのだ、と。 さて、この映画である。 マイク(チャニング・テイタム)はつきあう女性には事欠かない青年実業家とうそぶく青年。アダム(アレックス・ペティファー)は社会不適合者のアメフトで将来を嘱望された元大学生、今はさえないザ・無職の19歳。 アダムとマイクは、建築現場で知り合ったが、職場でアダムは泥棒の疑いをかけられて速攻でクビになる。

    「マジック・マイク」 - 虚馬ダイアリー
    toshi20
    toshi20 2013/08/15
    「マジック・マイク」について。
  • 「風立ちぬ」 - 虚馬ダイアリー

    原作・脚・監督:宮崎駿 以前。まだこの作品の製作が発表されていない頃。あるイベントで鈴木敏夫プロデューサーがぽろっと作についてコメントしたことがある。その時、鈴木敏夫はこう表現した。 今度の宮崎駿の新作は「自伝」の映画であると。 宮崎駿監督の新作は自伝!鈴木敏夫プロデューサーがイベントで明かす - シネマトゥデイ しかしふたを開けてみると、それは堀越二郎という飛行機設計者の人生を描く映画であった。 原作は「紅の豚」の元となる話も収録された「雑想ノート」を連載していたこともある「モデル・グラフィックス」での連載「風立ちぬ 妄想カムバック」という絵物語である。 宮崎駿との高畑勲との明確な違いがあるのは、堀越二郎の人生を書くことに対して「正確」を期さないことである。高畑勲が「堀越二郎」の生涯を描くならば、その人の人生をかなり綿密に取材し、正確な「堀越二郎」の評伝映画を作るに違いない。しかし、

    「風立ちぬ」 - 虚馬ダイアリー
    toshi20
    toshi20 2013/07/22
    「風立ちぬ」について書きました。
  • そして、俺たちは雲をつかむ「しわ」 - 虚馬ダイアリー

    原題:Arrugas 監督:イグナシオ・フェレーラス 原作:パコ・ロカ 脚:アンヘル・デ・ラ・クルス/イグナシオ・フェレーラス/パコ・ロカ 俺はまだ、大丈夫だ。 「そこ」へ息子夫婦に連れてこられた事は屈辱でしかなかった。エミリオはスペインで余生を過ごす元銀行支店長で、定年退職を迎えてしばらく経つ。だが、時折ふいに「銀行支店長」の頃に戻って、息子夫婦相手に融資の相談をしている、自分に気づいたりした。それでも、まだ、自分は、正常だ。そう、思っていた。 その「老人ホーム」で最初にエミリオが出会ったのは、相手が言ったことをオウム返しする男・ラモンであった。まるで壊れたテープレコーダーのような男は、元ラジオDJであるという。しかし、今は自分の言葉を話せなくなってしまったらしい。正直、不安は隠せない。家にいますぐ帰りたい。けれど、もう。 不安でいっぱいのエミリオを「部屋」で出迎えてくれたのはミゲルで

    そして、俺たちは雲をつかむ「しわ」 - 虚馬ダイアリー
    toshi20
    toshi20 2013/06/29
    「しわ」感想。
  • 「俺はまだ本気出してないだけ」 - 虚馬ダイアリー

    監督・脚:福田雄一 原作:青野春秋 「俺、絶賛将来中じゃね?」 「当の自分を探す。」。そんな理由で40歳で勢いだけでいきなり会社をやめて、思いつきで漫画家を目指し始めたおっさん・大黒シズオ(堤真一)と、その周辺の人々を描いたコメディ映画である。 見ました。 あのね。まず告白する。 胸が痛すぎる。コメディなのに。コメディなのになあ。 このギリギリギリと締め付けるような、何もかも手遅れのようなこの主人公の状況。実を言うと、俺、結構憧れだったのである。 会社の仕事も何もかも捨てて、自分の「新たな人生」というものへと旅立とうとする、そのドロップアウト願望。しかし、この映画は笑いの中に容赦なく描かれる、世間が見つめる「40歳・無職・子持ちの漫画家志望」というおっさんに対する「反応」に対して、その現実の重さをひしひしと感じながらもそれでも「俺はイケる」と自身を鼓舞する主人公を見て笑いながら、思う。

    「俺はまだ本気出してないだけ」 - 虚馬ダイアリー
    toshi20
    toshi20 2013/06/24
    「俺はまだ本気出してないだけ」。面白いけどしんどいコメディという事が伝わればいいです。
  • 「殺人の告白」 - 虚馬ダイアリー

    原題:Confession of Murder 監督・脚:チョン・ビョンギル マスコミ関係者を集めた記者会見の席上。まるで韓流スターのような笑顔で、男は言う。「私は殺人犯です。」 1995年に起こった連続殺人事件。その事件を追っていた刑事・チェ・ヒョング(チョン・ジェヨン)はあと一歩のところまで真犯人を追い詰めたものの、反撃に遭い、顔に手ひどい傷を負った。それは今も彼の顔に刻まれている。真犯人は言った。「お前は俺の犯した殺人事件の広告塔だ。」と。殺された女性の息子が自殺する現場まで目撃し、ヒョング刑事は心にも深い傷を負っていた。 2005年に時効が成立。だが、ヒョング刑事は別の未解決事件に注目していた。 2年後。連続殺人の真犯人を自称する男が、突如華々しく記者会見を開き、自叙伝「私が殺人犯だ」を発表する。その男の名はイ・ドゥソク(パク・シフ)といった。その自叙伝には「犯人」や「捜査関係者

    「殺人の告白」 - 虚馬ダイアリー
    toshi20
    toshi20 2013/06/24
    「殺人の告白」。傑作だと思います。是非大スクリーンで。
  • 「言の葉の庭」 - 虚馬ダイアリー

    監督・脚新海誠 以前、新海監督の作品の感想で書いた一文を引用する。 はじめにぶっちゃけますが、俺、心が汚れてるんで、新海監督作品は苦手だし前作「雲のむこう、約束の場所」なんてだいっきらい。この作品を見てもやっぱ苦手意識そのものは消えなかった。初恋のあまずっぱさやら、「あのころの僕ら」やらの全肯定、というのはまだいいんですよ。そういうのが恥ずかしいのではなくて、それを肯定する際に付随する「自意識」までも見事なまでに肯定しちゃうところがね・・・ちょっとダメ。でも、そこが新海監督の質なんだって改めて思った。 恋愛記憶のすすめ「秒速5センチメートル」 - 虚馬ダイアリー それを踏まえて。 びっくりしました。 素晴らしかったです。 うーむ。こういう話が作れるようになったのか、とちょっとびっくらこきました。 テイストとしては「秒速5センチメートル」の流れを汲む、「現代世界」を舞台とした男女の出会

    「言の葉の庭」 - 虚馬ダイアリー
    toshi20
    toshi20 2013/06/20
    「言の葉の庭」感想。普段新海作品褒めない(前作なんかケチョンケチョン)人間が褒めるってよほどいい作品に仕上がってると思ってください。
  • 我悟れぬ、故に我あり - 虚馬ダイアリー

    監督 - 橋一 脚 - 古沢良太、須藤泰司 原作 - 東直己 文章を書く、ということはどういうことだろうか。 文章に出るのは、書く人間の自意識である。俺はこう見られたい。俺の事をこう見て欲しい。俺はこうなりたい。文章を書くと言うことは、「俺はこういう人間なんですよ。」という自意識の発露であり、読む人間に対して無意識にその願望がにじみ出るものである。 探偵に名はない。「俺」である。 彼は携帯電話を持たない。名刺もない。あるのはいきつけのBARのロゴと電話番号が書かれたカードだけ。故に彼は人前に出るときは「探偵」という職業の「俺」としてふるまう。見た目は北海道のスター・大泉洋似であるが、タフでクールでハードボイルド。か、どうかはともかく、少なくとも人は、そこを目指してる。北海道は札幌の、日でも指折りの歓楽街・すすきのを根城にする探偵「俺」は、ダーティな仕事にも首をつっこむ。ゆえに、命の

    我悟れぬ、故に我あり - 虚馬ダイアリー
    toshi20
    toshi20 2013/05/18
    「探偵はBARにいる2」感想書きました。