原題:Saul fia 監督:ネメシュ・ラースロー 脚本:ネメシュ・ラースロー/クララ・ロワイエ 第二次世界大戦中のナチス・ドイツがユダヤ人などに対して組織的に行った大量虐殺、つまり、ホロコーストについての映画、である。のだが。 これがまたなんというか。うん。とりあえず置いておこう。 歴史とは人の営みのうねりが生み出した流れである。 歴史というものを、人は誇れるものとして語ろうとすると必ず歪みが出てくる。長年生きてるとわかるけどさ、人間ってきれいなだけじゃないんだよ、って。きれいなまんまじゃ生きられないんだって思う。それは人がこうなりたいという理想があって、こういう風になりたいと思っていても、実際にそうなれるわけじゃないし、どんなに傑出した人物だって、清廉に見える人にだって、人を傷つけたりしたことはいくらでもあるはずなんだよね。 そういう人間の行為によって生み出されてきた「歴史」という「大