「デザインエンジニア」と聞いて、その仕事の中身が思い浮かぶだろうか。デザイナーでもエンジニアでもなく、その中間の立場でデザインと技術の両方を洗練させる。そんな人材を重視しているのが英Dyson社だ。同社は、日本でなじみの薄いデザインエンジニアの存在を広めるべく、工学系や工業デザイン系などの学生を対象としたワークショップを実施している。 2013年4月、その取り組みに次代のものづくりを担う東京大学と東京芸術大学の学生たちが挑んだ。デザインエンジニアの役割とは何か、学生は、その哲学をどう消化したのか。学生たちの挑戦は、斬新なアイデアの創出に悩むプロの技術者にも新しい発想の気付きを与える大きなヒントになるだろう。 10:30a.m. 「衝突を恐れて意見を引っ込めるな」 新学期を迎えてサークルの勧誘活動が本格化していることもあってか、土曜日にもかかわらず東京大学の駒場キャンパスには学生の姿が多い。
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