“アルコール・ブレスト会議(AB会議)”とは、軽くアルコールを入れた状態で進めるディスカッションのこと。「ビジネス」や「オンタイム」などの言葉と真反対の位置にありそうなアルコールだが、創造的コミュニケーションを促進する上で、ビジネスツールとしての可能性を秘めているのではないだろうか? そんな考えのもと、多様なアイデア発想ツールの開発を手がける石井力重氏をファシリテーターに迎えて実践を試みた。 アイデア創出の近道はあるのだろうか? アイデア発想のために必要なことは何なのか? 第1回は、石井力重氏にその秘訣を語ってもらった。 Q アイデア創出事業を始めたきっかけを教えてください。 A 日本の価値は、知的なストックだと思うんです。この知的なストックをもっと産業的価値に変えていく力をつけたいと思い、商社を辞めて大学院博士課程に行き、研究開発マネジメント論やベンチャーマネジメント論、新規創造開発マネ
「こ、これは……『艦これ』ですか?」 「えっ? あ、はい! そうです。あの、すみません。あなたは日本人…ですか?」 「ええ、そうですけれど…。これは自分で描いたものですか?」 「はい。自分で描きました。感激です…日本人…。恥ずかしいですが、よかったらこれ(イラスト集とクリアファイルを差し出して)、記念に持って帰ってください!」 中国・南京でアニメやゲームの同人イベントが開かれると聞き、足を運んでみた。 会場に足を踏み入れてみると、100以上のブースが置かれ、10代後半から20代半ばと思われる中国の若者たちが自分で書いたイラスト集やクリアファイル、缶バッジ、メモ帳、ノート、ボールペン、キーホルダー、紙袋などを販売していた。その中に上記の男子大学生(21歳)もいて、私に商品(会場でのお値段は60元=約1000円)をプレゼントしてくれた。 中国には日本のアニメを見て日本好きになった若者が大勢いる
川島:石井先生は、マサチューセッツ工科大学(MIT=Massachusetts Institute of Technology)のメディアラボ(MEDIA LAB)にいらっしゃいますよね。この連載は「ダサい社長が日本をつぶす!」というタイトルなんです。日本の企業が作っている製品やサービスのデザインが、かっこよくなくなってきている。それはなぜなのか、どうしたらもっとかっこよくなるのかということについて、さまざまな方にインタビューしているものです。 石井:「ダサい社長が日本をつぶす!」。凄いタイトルですね。 大前提が間違っている 川島:日本人デザイナーの中には、アウディの和田智さん、ピニンファリーナの奥山清行さん、アップルの西堀晋さんなど、海外の一流企業に籍を置いて活躍してきたデザイナーがいる。石井さんもMITのメディアラボで副所長として、またメディア・アート&サイエンスの教授として、ハイレベ
増田 宗昭(ますだ・むねあき) カルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社代表取締役社長兼CEO 1951年生まれ。大阪府枚方市出身。83年、「蔦屋書店(元・TSUTAYA枚方駅前本店)」を創業。85年、カルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)株式会社設立。2011年12月、大人たちに向けた新しい生活提案の場として、東京・代官山に「代官山 蔦屋書店」をオープン。TSUTAYAやTカードなど「カルチュア・インフラ」を創りだす企画会社の経営者として、奔走している(撮影/大槻純一) 増田:昔はモノがなかったでしょ。モノがなかったときはモノを作れば売れるわけです。作れば作っただけどんどん売れる。さらに売り場を広げれば、それだけ売れる。つまり需要と供給のバランスでいうと、需要の方がはるかに大きかったんですね。高度成長期が終わるまではそうでした。そんなとき、企業は何を考えるか? 需要=お客さんは最
オリンピックは「スポーツの祭典」であると同時に「建築の祭典」でもある。東京に56年ぶりに建築の祭典がやってくる。それは日本の建築の力を世界に向けて発信する場であり、一般の人に建築の面白さを知ってもらう絶好の機会でもある──。日本の建築メディアの関係者たちは今、自分の生涯にそんなチャンスが訪れたことを神に感謝しているに違いない。 え、そんなこと言われてもピンと来ない? まあ、多くの人にとって「建築」や「建築家」は普段ほとんど意識することのない存在であろう。でも、オリンピック開催はまだ7年先。今から関心を持って見ていけば、2020年には相当の建築通になっているはずだ。その取っ掛かりとなるような記事をいくつか書いてみたい。 初回は、開閉会式などが行われるメーンスタジアム、「新国立競技場」だ。現在の国立霞ケ丘競技場を解体して、8万人収容の開閉式屋根付きスタジアムに建て替える。工事費は約1300億円
気になる記事をスクラップできます。保存した記事は、マイページでスマホ、タブレットからでもご確認頂けます。※会員限定 無料会員登録 詳細 | ログイン 自転車がブームだ。「健康によい」「環境にやさしい」「交通渋滞や駐車場不足を緩和する」と、多くの国で官民あげて自転車の普及に乗り出している。世界保健機関(WHO)は、世界の死亡原因は「運動不足」が喫煙に次いで2番目だとして自転車利用を推奨する。だが、近年自転車は男女とも性器への影響が大きいとする警告がいろいろと報告されている。自転車は結構ずくめではないらしい。 人気をよぶ自転車 英国で自転車や徒歩の移動を推進する団体「サストラン」は、自転車は購入などに1を投入すると、医療費や交通費の削減など20倍の恩恵が得られるという報告書を発表した。自転車は徒歩に比べてエネルギー効率は3~4倍も高く、速度は4倍も速い。とくに、最近のガソリンの値上がりも、ブー
今は、まだないけれど、ほしくなっちゃう商品の広告を考えてみよう NBO 糸井さん、6月6日日曜日の「矢沢永吉×糸井重里」素人社長会議「お金のことを、あえて。」、無事、終了いたしましたね。 糸井 はい。 NBO 満員の観客のみなさんはもちろん、ユーストリームでご覧いただいた延べ5万5000人近くの全国、いや世界中の人たちに、いろいろなヒントを与えてくれた、と思います。 糸井 そうだといいんですが(笑) NBO さてさて、今回の連載のいよいよ最終回は、「消費のクリエイティブ」、について、です。消費のクリエイティブ、って言葉、すでに連載第二回で触れていただいているのですが、この言葉に込めた糸井さんの思いを改めて教えていただけますか? 糸井 消費のクリエイティブ、というのは、ずいぶん前から僕の中にあった言葉なんです。80年代にコピーライターを稼業としていたとき、モノ自体の差異化ができなくなって広告
「今日はうれしくて仕方がない」。今年2月、無料で動画の生中継ができるサービス「Ustream(ユーストリーム)」に18億円を出資すると発表した日の決算説明会。そこで孫社長は、興奮を抑えきれない様子でツイッターとユーストリームへの入れ込みようを滔々と話した。 それから1カ月半、約18万人に向かって日夜つぶやく孫社長が取材に応じ、単独インタビューとしては初めてツイッターとユーストリームへの熱い思いを語った。 その模様は、4月1日に発売される日経ビジネス別冊ムック本「ツイッター 会社と仕事はこう変わる」の巻頭インタビューに収録されている。EDGE MEDIAでは、一足早く、インタビューの一部と未収録部分をご紹介する。 それから6日後、孫社長は「出来ました」とつぶやき、同時にソフトバンクモバイルは基本使用料を無料とする障害者向けの割引きプランを6月から開始すると発表した。 決算説明会の生中継に約6
たとえば、あなたが駅のホームで、本に目を落としながら電車を待っていたとします。 「すみません」 背後から声をかけられ、顔をあげると、知らない男性が、「実はそれを書いた人は僕の友人で、もしその人に会いたいのだったら、僕がつないであげますよ」と、名刺を差し出してくる。 「よかったら僕にメールをください」 男性は、あなたが本にいっぱい付箋を貼ってあるのを目で示しています。さて、あなたなら、彼にメールをしますか? 本書の著者、小山薫堂さんは、「料理の鉄人」などを手がけてきた放送作家で、最近だと映画「おくりびと」の脚本を書いたり、東北芸術工科大学の学科長を務めたり、企業のコンサルティングやPRの仕事をしたり、と大忙し。『考えないヒント』など著書も多い。 そういう、人がたくさん集まってくる人の頭の中はどうなっているのか。本書は、パカッと開いて見せている。 〈僕は常々、打ち合わせ相手に「うちに来てくださ
佐藤がブランディングを行う際には、まず手がける対象を客観的な立ち位置から捉え、問題点を明らかにするところから始めるのは前回述べたとおりだ。 ユニクロのグローバル展開に際して柳井会長兼社長からクリエイティブディレクションを頼まれた佐藤は、「フリースの大ヒットなどによってブランドの認知が進んでしまったがゆえに、逆に柳井氏がユニクロを立ち上げた当時のユニークさというものが埋もれてしまい、焦点がぼやけてしまっていた」とユニクロの現状を分析した。 甘くなったピントを、もう一度合わせる ユニクロが最初に海外の旗艦店を出す場所として選んだのは、カジュアルファッションのメッカである、ニューヨーク。ユニクロに類似したコンセプトのブランドも数多く存在するほか、安い価格帯のブランドもあり、価格優位性では戦えない。「ユニクロというブランドの強みは何か、もう一度本質に立ち戻り、それを磨き上げること」。それが柳井氏と
校正というと、誤字・脱字をチェックしたり、「てにをは」の修正をしたりといった作業を思い浮かべる人も多いのですが、これは間違いです。もちろん、こうした行為も校正の一つではありますが、もっと大切なことがいくつもあります。 原稿というのは、不思議なもので、書き上げたばかりのものよりも、寝かせて見直して、手直しを入れたもののほうが、はるかに出来がよくなります。「勢いで書き上げる第一稿、落ち着いて見直す第二稿」とか「ラブレターと原稿は一晩寝かせてから提出する」という言葉が、物書きの間では、よく出てきます。 もし、あなたが勢いで書き上げた第一稿を見直さず、クライアントに提出したり、Webサイト上に掲載したりしたらどうなるでしょうか? ほとんどの場合、誤字・脱字があったり、読みづらい文章があったり、間違いがあったりするでしょう。 原稿の品質向上のためには、見直す時間も考慮して、スケジュールを組み立てるこ
「おはぎゃあ」 という挨拶をご存知だろうか。 実は、「2ちゃんねる」の株式板から拾ってきた言葉だ。恐縮汗顔。嫌いな人は嫌いですよね。でなくても、こういう出自の物件をウェブ上のメディアで紹介するのは、不謹慎なのかもしれない。でも、無視できなかった。あんまり面白いので。勘弁してください。 意味は、 「朝一番にダウのチャートを見て『ぎゃあああ』と叫んでいる様子」 あるいは、 「家族に向かって『おはよう』と言いながら、日経の株式欄を開いて、そのあまりの下げっぷりに悲鳴をあげているありさま」 ぐらい。表記も、「おはぎゃあああ」「おはぎゃー」「おはぎゅあぁあ」あたりのところで揺れている。つまり、まだ固まっていないのだな。語義も表記も。 念のために申し上げておくが、2ちゃんねるをはじめとするネット発の流行語に関しては、正式な語義は存在しない。「2典Plus」(←乞ググ)というオンライン辞書サイトのごとき
日本を代表するクリエーターの一人、佐藤可士和氏。テレビCM、プロダクトデザイン、CDジャケット、空間デザインなどのほか、ロゴやサイトのデザインまでを手がける幅広い活躍でよく知られている。これまで手がけたデザインは、楽天のロゴ、キリン「極生」のテレビCMと商品デザイン、SMAPのCDジャケットやNTTドコモの「FOMA N702iD」など、実に多岐に渡る。 個人事務所のサムライ(東京都港区)でクリエーティブディレクター、グラフィックデザイナーを務める佐藤可士和氏はここ最近のインターネットやケータイの普及、そしてこれらを活用したネットマーケティングをどう見ているのか。話を聞いた。 ケータイはみんなを街に解放した 消費者の情報に対する質を見分ける力が最近、ものすごく上がっていると思います。特に東京近辺に住む人。東京はやはりすごい街です。世界中のものがこれだけ集まっている都市はありません。表参道で
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「前倒しで仕事ができない」と言って悩んでいるだけでは何も解決しません。 ここは思い切って、2時間ほど集中して頭を絞り、仕事が遅れる原因は何なのか考えてみましょう。原因となる可能性のあるものをすべて洗い出し、その解決策を考えるのです。 そのために役立つ基本的なツールが、「仮説の木」と「分解の木」です。この2つのツールの使い方を身につけると、どんな問題に直面しても、解決策を見つけることができるようになります。 問題解決のプロである経営コンサルタントは、これらのツールを使い、顧客に会う前に、顧客企業の抱える問題の原因がどこにあり、どうすれば解決することができるかというストーリーを数通り描いてしまいます。その後に、顧客企業の社員や客などから生のデータを集め、最善の解決策に絞っていくのです。
9月26日(水)より国立新美術館(東京・六本木)で「フェルメール《牛乳を注ぐ女》とオランダ風俗画展」が開催される。この展覧会は、17世紀にオランダで生まれた風俗画が、19世紀末にいたるまでにどのような展開を遂げたかを、合計116点の作品で紹介すると同時に、フェルメールの傑作《牛乳を注ぐ女》が来日することでも注目される展覧会だ。今回は、この展覧会を担当した研究員の宮島綾子氏に、日本でも人気の高い静謐(せいひつ)の画家・フェルメールと、今回展示されるオランダ風俗画についてうかがった。 アジア初公開となる、フェルメール《牛乳を注ぐ女》 「フェルメール《牛乳を注ぐ女》とオランダ風俗画展」は、フェルメールの《牛乳を注ぐ女》を中心に、アムステルダム国立美術館のコレクションから、17世紀から19世紀までのオランダ風俗画の多様な展開を紹介するというものです。 未曾有の経済発展を背景に、「黄金時代」を迎えた
六本木ヒルズ森タワーの森美術館において、「ル・コルビジェ展」~建築とアート、その創造の軌跡~が、9月24日まで開催されています。 六本木ヒルズは、森ビルによる国内最大級の市街地再開発プロジェクトとして、「東京に文化都心をつくる」というコンセプトのもと2003年4月に完成しました。敷地内には、最先端企業が集積するオフィスや、高級マンション、商業施設、映画館、ホテルなどが建設され、多彩な機能を併せ持つ複合都市となっています。 森美術館は、現代アート、建築、デザイン等の展示を行う美術館として、2003年秋、森タワーの最上階(52階、53階)にオープンしました。開館に寄せて森美術館創設者の森稔氏は次のように語っています。 「私は17年前、“六本木ヒルズ”を構想した頃から、ここ六本木に“文化都心”をつくり、街のシンボルにふさわしい現代アートを中心とした美術館を作ろうと考えてきました。なぜなら現代アー
実は、とりわけ学校教育において、私の言葉がやはり曲解されている、と感じる部分があります。それは、私が使う、「生徒は学校にとってお客さま(消費者)である」という言い回しです。 これに対し、学校の生徒を「お客さま」と呼ぶことに違和感がある、いやはっきり不適切ではないか、という意見があります。その心は、「生徒を“お客さま”と定義してしまうと、教育現場で教師が生徒にへつらってしまうのではないか。表面的な人気取りに走ってしまうのではないか。それは結局、生徒のためにならないし、本質的な教育とはかけ離れてしまうのではないか」ということでしょう。 おっしゃるとおりです。未熟な子どもたちにこびへつらい、「お客さま扱い」するような学校教育に未来はない、と私も思います。 説明不足を反省します おや、渡邊はまさに「お客さま扱い」しろといった意味で「生徒は学校にとってお客さまである」と発言してきたのではないのか?
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