ライター:竹内絢 【CGS Newsletter013掲載記事】【ペーパー版と同一の文章を掲載】 ●女が住居を確保する 数年前、フェミニストを自称する友人が「私、結婚したの...」となぜか申し訳なさそうに電話してきたことがあった。理由を聞けば、引っ越しをしたいがなかなか家を借りられなかったという。異性の恋人と結婚したところ、なんなく借りられたそうだ。 「 それだけの理由?」と当時は訝しがったが、今となっては理解できる。私の一人暮らしを支えていたのは「父親」という保証人の存在あってのこと。父や夫の存在なくして女ひとり、ボロアパートで暮らすことすらままならない。シングルの女、老いた女は、どうやって住居を確保するのか...。自分の将来を考えると暗澹とした気持ちになる。 ●日本の住宅政策 そもそも家賃が高すぎる。生きていくために不可欠な「住」の負担がこんなに重いのはなぜか。戦後日本の住宅政策は、中