2012/2/2710:9 民主主義は問題解決にならないか 吉田徹 「民主主義はもはや問題解決のためのシステムではない気分が蔓延している」―― これは、各国要人やデシジョン・メイカーが出席する「ミュンヘン安全保障会議(MSC)」での、イタリア首相マリオ・モンティの言葉だ。いうまでもなく、昨今の欧州経済金融危機についての発言だが、この「気分」は欧州だけでなく、日本を含む他の先進国をも覆っているようにみえる。 モンティの問題意識は簡単だ。すでに市場から否認された各国政府の中で、危機を収拾できない国では、イタリアを含め「専門家内閣」が要請され、ギリシャでは箸の上げ下げまでIMF、ECB、欧州委員会の「専門家」によるチェックを受けるようになっている。いわば、それまでの「民主主義」による統治が失敗した証拠だというわけである。同様の認識は、ギリシャ救済に対するドイツ国民の消極的態度を指して、たとえば真