日本人は集団主義的である。 この言明は、だいたい事実だと思われていて、その一方でアメリカ人は個人主義的であり、西欧の多くの国の人たちも、やはり個人主義的であると言われる。 ぼくはこのことについて、ある程度のリアリティを感じつつも、程度の違いや分布の違いであり、そんな決定的な差として語るのは適切ではないと思ってきた。 また、実際、911直後のアメリカでの愛国の嵐は報道を通じてではあるけれど目の当たりにしたし、マッカーシズムの吹き荒れた頃には、反全体主義の名のもとに、集団主義的な行動が社会をしたのではないかとも感じてきた。 アメリカ人は個人主義ってういうけれど、ちょっとボタンを押してあげれば簡単に集団行動になっちゃうじゃないって。 けれど、本書では、ぼくが感じてきたことをはるかに越えて、「日本人は集団主義、アメリカ人は個人主義」というのが錯覚だという。 痛快だ。 まず、過去の日本人論を論じ、日