毎日新聞2013年7月13日 保阪正康の連載コラム「昭和史のかたち」。 ・自分は16年、「昭和史講座」をカルチャーセンターで行っている。 ・受講者は延べで20000人を超える。 ・多くは戦争体験者で、自分は教わることが多かった。なぜこんな若造の講義を、実際に生きた先輩が聞くのですか?と尋ねたら「なぜあんなおろかな戦争を始めたか理解して死にたい」「昭和天皇の責任について自分なりの考えをまとめたい」などの切実な思いが帰ってきた。 という話を紹介したあと、印象的な3人の受講者の証言を紹介する。うちひとりを抜粋し紹介。 Aさんは、ある老舗の企業グループ総帥だった経営者の夫人。毎回一番前の席に座り、私の話に耳を傾けた。ある時、私に近づいてきて「戦時下、私は東京女子高等師範学校の数学科の学生でした。勤労動員というのは大本営の一室に詰めることでした…」といい、その体験談を話した。 参謀が持ってくる情報に