【ニューヨーク=田中光】デジタル化した書籍の全文検索サービス「グーグルブックス」をめぐる集団訴訟の和解案が見直されることになった。原告の米国出版協会側の要求に基づき、ニューヨーク連邦地裁は24日、10月7日に予定されていた公聴会の中止を決めた。 現在の和解案は、グーグル側が検索サービスから得られる収益を著作権者に一定程度還元することなどを柱としている。裁判所は中止決定の中で、「現在の和解案は重大な問題を提起している」と指摘。異議申し立てが多数に上り、各国政府や著名な作家からも出されていることから、現在の和解案を土台に公聴会を開くことは無意味とした。 一方、新たな和解で社会に利益をもたらす可能性があるとして、10月7日には今後の訴訟の進め方を当事者間で協議するとしている。