2階に出窓風のバルコニーを持つモダンな様式だった。昭和8年、関東大震災から復興後の店舗。左から2番目が同社 株式会社有隣堂(松信裕社長、本社=中区伊勢佐木町)は12月13日に、創業100周年を迎える。伊勢佐木町で開店した小さな書店は、関東大震災や横浜大空襲など幾多の苦難を乗り越えて、神奈川県をはじめ東京都、千葉県に店舗を展開する、全国でも有数の書店チェーンに成長した。 伊勢佐木町で創業 同社がその一歩を記したのは明治42年(1909)12月13日、創業者の松信大助が伊勢佐木町1丁目に「第四有隣堂」を開業した。木造2階建て間口2間(3.6m)、奥行き3間(5.4m)という小さな書店だった。 当時の伊勢佐木町は、芝居小屋やデパートが立ち並ぶ横浜市内随一の繁華街。横浜人らしく進取の気性に富んだ松信社長の経営努力もあり、大正5、6年には2階建ての店舗を新築、また吉田町や弘明寺にも店舗を開