東日本大震災で被災した岩手県大槌町図書館の郷土資料約1000点が修復され、18日、同図書館に戻った。洗浄や補修は遠野市の遠野文化研究センターが担当した。閉校した小学校に保管後、再建予定の図書館に収蔵される。 資料は1889~1955年の町議会議事録、33年の昭和三陸津波に関する被害や遠野の青年団による救援活動の記録など計1034点。町出身の児童文学作家小国喜六の原稿もある。 震災の津波で図書館は2階まで浸水したが、金庫の中の資料は流失を免れた。遠野文化研究センターは2011年5月に修復を始め、市民ボランティアの協力を得て1枚ずつ泥を落とし、洗浄と乾燥を進めた。13年3月に完了した。 センター調査研究課の前川さおり課長補佐は「初めての経験だったが、多くの支援で無事に終えることができた。昭和三陸津波の救援記録は遠野に残っておらず、遠野の歴史を救う作業にもなった」と語った。 大槌町図書館