トリエンナーレ担当職員の残業時間について、本会議の緊急質問で市議(手前)から追及される清水勇人市長(右)=さいたま市議会で さいたま市で開催中の国際芸術祭「さいたまトリエンナーレ」の担当職員の残業時間をめぐって、開会中の市議会定例会が紛糾している。月平均百二十時間を超える残業に最大会派の自民などが反発し、昨年度一般・特別会計決算が委員会採決で不認定に。二十一日には本会議で清水勇人市長に対する緊急質問も行われ、清水市長は「残業時間を月七十時間以内とし、午後八時以降は残業させない」と改善策を示した。 問題となったのは、文化振興課トリエンナーレ係に所属する常勤十人の残業時間。昨年度は月平均百二時間で、本年度も九月までの月平均が百二十六時間になっていることが、決算特別委員会の中で明らかになった。
戦後日本の前衛芸術をリードした美術家で東京芸術大名誉教授の中西夏之(なかにしなつゆき)さんが二十三日、脳梗塞のため死去した。八十一歳。東京都出身。葬儀・告別式の日取りなどは未定。喪主は長男洋太郎(ようたろう)さん。
旧内務省が行っていた内閲業務の痕跡を示す、小山いと子さんの小説「指にある歯型」の校正刷り=東京都目黒区の日本近代文学館で 戦前から戦中にかけ、出版物の検閲を担っていた当時の内務省が、雑誌などに掲載予定の原稿を事前に読んで掲載可否を判断した「内閲」と呼ばれる業務の痕跡を示す「校正刷り」が、東京都目黒区の日本近代文学館に保管されていることが分かった。戦時下での出版検閲の実態を解明する上で貴重な資料だ。(久間木聡) 校正刷りは、直木賞作家の故・小山いと子さん(一九〇一~八九年)が日中戦争の始まった三七(昭和十二)年、雑誌「日本評論」の依頼で執筆した小説「指にある歯型」の計二十枚。同館の依頼で調査に当たった中京大文学部の浅岡邦雄教授(68)=近代出版史=によると、一枚目に「図書課長」「事務官」「理事官」の印があり、旧内務省図書課による内閲業務の跡と判明したという。 「陰惨。醜穢(しゅうわい)。残忍
政府は12日、原子力規制委員会が運営主体の変更を求めている日本原子力研究開発機構の高速増殖炉もんじゅ(福井県)を廃炉にする方向で最終調整に入った。再稼働には数千億円の追加費用が必要となり、国民の理解が得られないとの判断に傾いた。核燃料サイクル政策の枠組みの見直しは必至で、関係省庁で対応を急ぐ。 所管の文部科学省は、規制委から運営主体の変更勧告を受け、原子力機構からもんじゅ関連部門を分離し、新法人を設置して存続させる案を今月に入り、内閣官房に伝えた。しかし、電力会社やプラントメーカーは協力に難色を示しており、新たな受け皿の設立は困難な情勢。
日中戦争の勃発から第二次大戦初期にかけて同盟通信(共同通信、時事通信の前身)の北京支局員、ハノイ支局長、欧州移動特派員などを務めた大屋久寿雄(おおやくすお)(一九〇九~五一年)の「戦争巡歴」と題した未発表の遺稿が見つかり、執筆から約六十五年を経て月内に出版されることになった。 事実上のノンフィクション作品で、四百字詰め原稿用紙約二千枚の大作。自身を含む戦時下の日本人記者の実態を赤裸々につづっているほか、中国に親日の汪兆銘政権を築いた工作の詳細も書かれている。出版社は柘植書房新社。 原稿は四六年から大屋が病死する五一年までの間に書かれた。東京都武蔵野市の長男剛人(ごうじん)氏(故人)宅に長年置かれていたが、数年前からは、大屋について調べていた高橋治男・中央大名誉教授(フランス文学)とジャーナリストの鳥居英晴氏が引き取り、内容の精査を続けてきた。
県内でも激しい戦いが繰り広げられた明治維新後の旧幕府軍と新政府軍による戊辰戦争で、新政府軍が使ったとされる菊の紋章入りの官軍旗二点が、宇都宮市の宇都宮二荒山(ふたあらやま)神社で見つかった。いずれも全国的に貴重な史料で、県立博物館(同市睦町)で六月十二日まで開かれている企画展「宇都宮藩主 戸田氏-その歴史と文芸-」で展示されている。 (藤原哲也) 官軍旗の名称は、白い絹に墨で菊紋が描かれた「白生絹御紋之旗(しろすずしごもんのはた)」と、紅色の絹に菊紋が入った「菊御紋紅大四半(きくごもんくれないだいしはん)」。白生絹御紋之旗は長さ約三・三メートルで、発見は全国で初めて。菊御紋紅大四半は約一・六メートル四方の大きさで、全国で三例目となる。 博物館の飯塚真史学芸員によると、企画展準備のため県立文書館にある「戸田家系譜」を読んだ際、「御旗下賜ハル」の記述から宇都宮藩史の内容と突き合わせ、官軍旗が現
「パナマ文書」で問題となっているタックスヘイブン(租税回避地)に対し、世界の経済学者たちが批判を強めている。各国政府の指導者に「対策の強化を」と求めて国際ボランティア団体が発表した公開書簡には、格差問題を掘り下げたフランスの経済学者トマ・ピケティ氏や、ノーベル経済学賞を昨年受賞したアンガス・ディートン米プリンストン大教授ら経済学者三百五十五人が署名した。 九日付の書簡では、タックスヘイブンについて「一部の富裕層や多国籍企業を利するだけで、不平等を拡大させている」と言及。経済学者の立場から、その存在を「世界全体の富や福祉の増進に何ら寄与せず、経済的な有益性はない」と断じている。 書簡を作成して、世界の経済学者に賛同を呼び掛けたのは、貧困に苦しむ人々の支援を続けているオックスファム(本部英国)。「先進国だけの問題ではなく、途上国も年間千七百億ドル(約十八兆四千八百億円)の税収入が失われている」
太平洋戦争直前まで首相を務めた近衛文麿の旧邸宅「荻外荘(てきがいそう)」(杉並区荻窪二)が三月に国の史跡に指定されたことを記念し、近衛家に伝わる資料などを展示する特別展「『荻外荘』と近衛文麿」が二十九日まで、杉並区立郷土博物館(大宮一)で開かれている。(石原真樹) 荻外荘は一九三七年に近衛が別荘として購入。東条英機ら政府や軍の要人が訪れて重要な話し合い「荻窪会談」が行われた場所として知られる。戦争責任を問われた近衛は敗戦後にここで服毒自殺した。二〇一四年二月に区が敷地と建物を取得した。 今回は近衛家に伝わる資料を所有・管理する公益財団法人陽明文庫の協力を得て、約百点を展示。荻外荘の名付け親とされる元老西園寺公望が筆を入れたという「荻外荘」の扁額(へんがく)の書幅や、近衛が戦時中の心情をつづった自筆メモなどが初めて公開される。豊島区内に移築された建物も含め荻外荘の全景を復元した模型もあり、荻
インターネット上の無料百科事典「ウィキペディア」日本語版の記事数が百万本を突破した。日本で発行されている紙の百科事典の十倍を超え、日々増加している。紙の百科事典は編集者や専門家の厳しいチェックを経て出版されるのに対し、誰でも自由に書き込めるウィキペディアは、信頼性に課題のある記事も少なくない。一方で専門家が驚くほど質の高い記事もあり、良しあしを見極めやすくする取り組みも進む。多くの人の「知」を積み上げる作業は、今もどこかで続けられている。 ウィキペディアによると、日本語版のホームページは二〇〇一年に立ち上がった。〇五年に十万、〇八年に五十万、そして今年一月に百万本を超えた。現在も一日百本超のペースで新規記事が増加。内容の追加や修正も活発に行われている。 出版社の平凡社によると、同社が出版している「世界大百科事典」は全三十四巻で、記事は九万本。数ではウィキペディアが勝っているが、大部分が匿名
歴史的に価値が高い公文書などを管理する国立公文書館の本館(東京都千代田区)と分館(茨城県つくば市)の文書保管能力が、早ければ二〇一八年度中にも限界となる可能性が生じている。新館の整備も具体化していない。各省庁で保管期限が切れた重要文書が廃棄される懸念がある。特定秘密保護法施行で政府の情報公開への姿勢が問われる中、保管に支障が出れば国民の知る権利が阻害されかねない。 (中根政人) 内閣府によると、本館の九割、分館の七割の保管場所が埋まり、あと三~四年で満杯となる。新館は衆院議院運営委員会の小委員会で建設地の選定を進め、昨年通常国会中に結論を出す方針だった。だが昨年八月の中間取りまとめでは、意見調整の遅れから国会議事堂周辺の二カ所を候補地に挙げるにとどまった。 公文書管理法に基づき、公文書は保管期限がくるまで各省庁が管理する。保管期限後は、政府が「歴史資料」と判断した重要な文書は、公文書館
トップ > 特集・連載 > 言わねばならないこと > 記事一覧 > 記事 【言わねばならないこと】 (59)公文書残さず衝撃 英NGO上級法律顧問・デイビッド・バニサー氏 Tweet 2015年11月30日 他国を武力で守る集団的自衛権の行使を可能にする昨年七月の閣議決定について、憲法との整合性を審査する内閣法制局が内部検討の経緯を記録した議事録などを公文書として残していなかったのは、かなり衝撃的だ。 これほど基本的な憲法解釈の変更をしたのに議論の記録が公文書に残っていないのは信じられない。英国なら裁判所に持ち込まれて公文書に記録を残さないことは違法だと判断されると思う。民主主義国家の政府がやるべき方法ではない。 十二月一日から完全施行される特定秘密保護法は、漏らすと厳罰が科せられる特定秘密の定義がほとんど無制限といってもいいほど曖昧で、範囲が広すぎる。何が秘密なのかまったく分からない。国
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