アイドルの実存的問題として。 ハロプロのメンバーは基本的に本名をそのまま使っていると認識している。田中れいなとかアヤカとか、多少の例外はあるにしても、芸名を使っているメンバーはいないと認識しているが、これは正しかったろうか。もともと一般人がアイドルになる過程を見せるハロプロが、芸名を使えないのは致し方のないことであるが、これって結構辛いことなんだろうと思う。 固有名詞としての人名は、通常その存在に貼り付いている。例えば僕が「斧屋」という人名だったとして、それは僕という存在と違和感なくくっついて、それ(「斧屋」)が使われているときには「自分」が指示されているということを自然に即座に受け入れられる。 ところが、アイドルでもあるところの人名は、「存在」として語られるだけでなくて「作品」(虚構)としても語られてしまう。メディアを介し、また様々な商品としてアイドルが遍在していくにつれ、名前と身体が乖