劇場版名探偵コナンのX公式アカウントが4月30日、動画を添えてメッセージを投稿。同シリーズ作品の観客動員数が累計1億人を突破したと報告した。 𝟏𝟗𝟗𝟕年➤➤➤ 青山剛昌先生原作 #劇場版名探偵コナン ⋱\ 愛 さ れ 続 け て /⋰ ついに今年、 シリーズ累計観客動員数 ┋ 𝟏 億 人 突 破 ┋ これからもたくさん… つづきを見る
野崎まど著『ファンタジスタドール・イヴ』(早川書房、2013年)はアニメ『ファンタジスタドール』(斎藤久監督、フッズエンタテインメント制作、2013年)の前日譚だ。内容は女性に幻滅した科学者が、それでも女性を欲し、志を同じくする友人とともに人造の女性を創造するというものだ。自身も製作に参加するかという異同はあるが、これはヴィリエ・ド・リラダン著『未来のイヴ』(1886年)と同じ筋書きだ。タイトルをはじめ、『ファンタジスタドール・イヴ』は『未来のイヴ』を援用しており、結末に明確な対照性がある。以下、それを検討するとともに、その対照をもとに『ファンタジスタドール』を再論したい。 『ファンタジスタドール・イヴ』で主人公の大兄太子は幼少期にミロのヴィーナスをみることで、女性の肉体への憧憬をおぼえる。「連れて行かれたのは、世界で最も有名な美術館、ルーヴルだった。(中略)だが、私は、それに強く魅入られ
長谷敏司 9000字インタビュー 『SFの意義、ライトノベルの意義』、或いは『人工知能は小説家の夢を見るか?』 序文 このインタビューは 「2016年度 日本大学芸術学部 文芸学科 青木Ⅲゼミ」の実習として作成し、実習誌『デアイノマガジン』に掲載した原稿を再録したものです。 (画像 ゼミ雑誌書影) インタビューを受けていただいた長谷敏司先生、取材・編集の際に助けていただいた青木敬士先生と友人の梅津くん、ありがとうございました。 初めに―― 今回のインタビューの目的と、終着点 ――今回はSF、ライトノベルなど複数のレーベルで執筆活動をなさっている作家、長谷敏司先生に「SFとライトノベルの意義」「AIと創作の関わり」といったキーワードを主軸に据えてお話をお伺いできれば、と考えています。 また以上を踏まえて「今、作家を目指す学生へ向けたメッセージ」なんてお話もお聞きしてみたいです。よろしくお願い
南極点のピアピア動画 (ハヤカワ文庫JA) 作者: 野尻抱介,KEI出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2012/02/23メディア: 文庫購入: 19人 クリック: 626回この商品を含むブログ (120件) を見る 5年ぶりに私の本が出た。なぜ5年間も出なかったといえば、5年前、2007年は初音ミク元年であり、またMake日本語版が刊行された年であって、両者から大きな刺激をうけ、その実践にいそしんでいたからである。 だがこの5年間、小説を書いていなかったわけではない。表題作『南極点のピアピア動画』は初音ミク元年のうちに書かれた。執筆開始は2007年12月で、「みくみくJASRAC事件」「メルトショック」「鏡音リンレン発売」の頃だ。入稿してゲラ直しが終わったのが2008年の2月中旬で、MikuMikuDanceが発表される直前になる。 そんな時期に書いた作品だから、当時CGM/UGCに
■神の水 / パオロ・バチガルピ ■『ねじまき少女』パオロ・バチガルピの最新長編SF作品 近未来アメリカ、地球温暖化による慢性的な水不足が続くなか、巨大な環境完全都市に閉じこもる一部の富裕層が、命に直結する水供給をコントロールし、人々の生活をも支配していた。米西部では最後のライフラインとなったコロラド川の水利権をめぐって、ネバダ、アリゾナ、カリフォルニアといった諸州の対立が激化、一触即発の状態にあった。敏腕水工作員(ウォーターナイフ)のアンヘルは、ラスベガスの有力者であるケースの命を受け、水利権をめぐる闇へと足を踏み入れていく……。『ねじまき少女』で化石燃料の枯渇した世界を描いた作者が、水資源の未来を迫真の筆致で描く傑作。 化けた。傑作SF小説『ねじまき少女』を書いたパオロ・バチガルピがさらにとんでもない領域へと大化けした。 『ねじまき少女』(レビュー)は地球環境悪化とテクノロジーの暴走に
Tokyo Biblio @TokyoBiblio 昨日のSFビブリオバトルin神田古本まつり、大変賑わいました!SF作家の山本弘先生もビブリオバトルに参戦。トークでは著者『BISビブリオバトル部』に登場した本をご披露していただきました!! pic.twitter.com/BOpxo1cQHV ばなな @booksbanana 本日のSFビブリオバトルin神田古本まつり発表本、えんじさんは『MEAD GUNDAM』、中島はるなさんはロバート・F・ヤング『時が新しかったころ』u-kiさんは秋山瑞人『イリヤの空、UFOの夏』、岡野晋弥さんは丸川トモヒロ『成恵の世界』山本弘さんは新井素子『ひとめあなたに…』。
決定版の「21世紀のSFベスト100」は〈本の雑誌〉2015年11月号をごらんください。 鏡明、大森望の両氏にぼくを加え、目利きとは名ばかりの乱読と独断と適当をぶつけあって1位から100位まで並んだわけですが、その座談会に先立って各自が推薦作リストを用意しました。 鏡リストは〈本の雑誌〉で鏡さんが毎年担当している「SFベスト10」(2001年度〜2014年度)から原著刊行が2001年以降のものを抜きだしたもの。大森リストは大森さんの著作『21世紀SF1000』の「21世紀SF推薦作100」リストと〈本の雑誌〉の常設書評「新刊めったくたガイド」(2011年1月号〜2015年9月号)の★★★★☆以上作品をあわせて、原著刊行が2001年以降のものを抜きだしたものです。そういう意味では、おふたりのリストはすでに公開されているわけです。 ぼくはそういう元手がないもので、えいやっとワガママな「21世紀
1970年に神奈川県で有害図書に指定された手塚ヤバイ系作品だ。 エロいし、狂ってるし、めちゃくちゃなのである。 この1970年は、永井豪「ハレンチ学園」のエロ描写、ジョージ秋山「アシュラ」の人肉描写、そして手塚治虫の「アポロの歌」のセックスシーンと問題漫画の当たり年だ。 全裸マン、ひとりを除いて全員死亡 いきなり同じ顔の全裸の男がうじゃうじゃいる。 真ん中の男が、「諸君! われわれ五億の仲間はたったひとりの女王をめざして これから命をかけた競技をはじめる!」と宣言。 見開き2ページで、柔らかな穴の奥深くへ走っている五億の全裸男の背中が描かれる。 ドンドンドロドロドンドンドロドロ。 何のオノマトペかわからぬ音を立てながら、踊り狂い全裸マンたちは女王を探す。 全裸で、手塚独特のエロやわらかなラインで、女王が、お尻突き出しお出ましになる。 全裸マンひとりが女王のもとに辿り着くと、他の男たちが絶望
書き下ろし日本SFコレクション NOVA+:屍者たちの帝国 (河出文庫) 作者: 大森望出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 2015/10/03メディア: 文庫この商品を含むブログ (1件) を見るProject Itohの映画化企画に合わせて雑誌にムックにと活況を見せている伊藤計劃作品であるが、本書は『屍者の帝国』世界を元にして8人の作家が短篇を寄せたテーマ・アンソロジーの一冊である。同時期に出た『伊藤計劃トリビュート』がど真ん中ストレートの豪速球だとするならば、こちらは各人がそれぞれの色を出しながらゆるめに、世界観をそれぞれが押し広げるようにして構築された作品集であるように思う。その分気を抜いて楽しめるが、決して作品の出来が劣っているわけではない。 そうなったのも、元々本作の元になった伊藤計劃さんの試し書き、原稿用紙にして30枚ほどのわずかな物しかなかった=各人がそれぞれふくらま
エピローグ 作者:円城 塔発売日: 2015/09/17メディア: 単行本相変わらずの円城塔作品であり相変わらずでもない円城塔作品でもある。『屍者の帝国』以来約三年ぶりの長篇作品にあたる。もともとはSFマガジンで連載を行っていた作品が、今回書籍化となった。文學界で連載していた『プロローグ』も近々書籍化ということで、『エピローグ』から先に出ているのもまあ面白いところではある。 本書を読んで僕がまず抱いた実感は「しっかり」しているなということだった。デビュー作の『Self-Reference ENGINE』から、相手の首を一瞬で断絶させる刀のような鋭さを持っていた。本書に至って、そのキレ味はまったく変わらないまま、手にもった時のずっしりとした重さ、振った時の軽さ、首が落とされた時の手応えといったような複合的な部分で「しっかりとした刀を作るようになった」と思うのである。 世界観は最初からフルスロ
ヒューゴー賞(Hugo Awards)は、世界中のSFファンが注目するSF、ファンタジー、ホラージャンルの重要な賞である。 受賞作は世界SF大会(ワールドコン, World Science Fiction Convention)に登録したファンの投票で決まり、大会の間に開催される授賞式で発表される。気取った文芸賞とは異なり、批評家ではなくファンが決める賞なので、必ずといって良いほど面白く、ベストセラーにもなる。そういった点で、とても信頼性がある賞だった。……少なくともこれまでは。 ところが、このヒューゴー賞が社会政治的なバトルグラウンドになってしまったのだ。 アメリカのSF作家のなかには、最近のヒューゴー賞は「マイノリティの人種、女性、同性愛者への公正さを重んじるリベラルな政治性を優先して選ばれている」、「文芸的な作品が重視され、娯楽的なSFが無視されている」といった不満を持つ者がいる。そ
山本弘 『BIS ビブリオバトル部』 @hirorin0015 @hirorin0015 ケン・リュウ『紙の動物園』(早川書房)を読んだ。中国出身でアメリカ在住のSF作家の短篇集である。 帯によれば、「日本経済新聞掲載書評にて★5つを獲得!」「異文化の中で生きる孤独と親子の情愛に胸を衝かれる傑作(読売新聞書評)」 とある。 2015-07-13 09:48:05 山本弘 『BIS ビブリオバトル部』 @hirorin0015 @hirorin0015 訳者あとがきによれば、表題作「紙の動物園」は、ヒューゴー賞、ネビュラ賞、世界幻想文学大賞の短編部門を受賞、日本でも星雲賞海外短編部門、SFマガジン読者賞海外部門を受賞。スペインでもイグナトゥス賞海外短編部門を受賞しているという。 2015-07-13 09:48:46
ねじまき男と機械の心〈上〉 (大英帝国蒸気奇譚2) (創元海外SF叢書) 作者: マーク・ホダー,緒賀岳志,金子司出版社/メーカー: 東京創元社発売日: 2015/07/29メディア: 単行本この商品を含むブログ (4件) を見るねじまき男と機械の心〈下〉 (大英帝国蒸気奇譚2) (創元海外SF叢書) 作者: マーク・ホダー,緒賀岳志,北原尚彦,金子司出版社/メーカー: 東京創元社発売日: 2015/07/29メディア: 単行本この商品を含むブログ (4件) を見る優生学者が途方もない大きさまで育てた乗り物用のヤスデ、伝令用の犬、言葉を覚えて伝えるインコと異形の群れが跳梁跋扈する、我々のよく知る歴史とは決定的に分岐してしまっている19世紀のロンドンが舞台となる<<大英帝国蒸気奇譚>>シリーズの第二弾が本書『ねじまき男と機械の心』になる。一作目は同じく上下巻で『バネ足ジャックと時空の罠』があ
SFの古典的題材である世代宇宙船を正面から扱ったオールディスの第一長篇。オールディスはJ・G・バラードとならぶ英国ニューウェイヴの旗頭だが、本書はそのムーヴメントが勃興する以前、1958年に発表された作品だ。しかし、すでにこの作家の特質がありありとうかがえる。ここに描かれる世代宇宙船内の異形化した世界は、物理的な環境であると同時に、ひとつの精神空間なのだ。 この船内で生まれた主人公コンプレインは地球もほかの惑星も知らず、またこの船の記録はとうに失われているので、いまいるところだけが彼にとっての唯一の世界だ。船内の空間は広大でいくつもの地域があるようだが、その全貌を把握している者は彼の身近にはいない。その〈居住区〉では前近代的な職位制度によって秩序が保たれており、コンプレインは狩人で野生動物を獲り、肉を売って暮らしていた。そこにはいちおう宗教もあって人々からあまり敬われていないが司祭もいる。
『怨讐星域』! この表題にたじろぐが、内容はバイオレンスやハードボイルドではなく、あくまで世代宇宙船と惑星植民の物語だ。「怨讐」はしっかりと描かれているが、それは個々人の直線的な感情ではなく、まとまった社会・文化の底流としてである。 たたずまいは伝統的なSFだ。ファンにとっては懐かしい設定やアイデアをいくつも組みあわせながら、梶尾真治一流の温かみとコクのある作品に仕上がっている。物語全体のスケールが大きく文庫版三分冊のボリュウムながら、挿話ごとに独立した山場があり、それぞれに登場人物の心情に沿った感動が味わえる。 太陽フレア膨脹による地球壊滅が予測され、世代宇宙船による脱出が極秘裏に計画された。この宇宙の方舟「ノアズ・アーク」に乗ることができるのは選ばれた三万人だけだ。ちょっと年季の入ったSF読者なら、この発端にJ・T・マッキントッシュの『300:1』を連想するだろう。しかし、マッキントッ
入り組んだ物語だ。きっと『リライブ』まで読み終えて何もかもがすっきりとわかった! と喝采をあげる人間はそうはいないだろう。僕も一度読んだ後再読をして、時系列の並びと因果のもつれを紙を使って大きく図解してそれを参照しながら読み進めることでようやく全体像にぐっと近づいたぐらいだ。もっともそれはそうしなければ読めないというたぐいのものではなく、よりよく理解して楽しむ為の行為の一つなのだけれども。そして、この物語はちゃんとその労力に見合った過程と結末を用意してくれている。 シリーズの前提と簡単なあらすじ さて、本題に入る前に本シリーズの前提条件を確認しておこう。本シリーズは『リライト』『リビジョン』『リアクト』『リライブ』から成る、「時と四季を巡る物語」とでも総括すべき作品である。第一作目である『リライト』は最初Jコレクションとして世に出た。その時点ではシリーズ構想も何も明かされていなかったが突如
藤井 『Gene Mapper』のセルフパブリッシングでデビューした藤井太洋です。「Gene Mapper」を出版したのは2012年の7月でして、まだ丸3年も経っていない若手作家です。 光栄なことに、長編2作目の「オービタル・クラウド」で日本SF大賞を受賞することになりまして、大変うれしく思っております。どうぞよろしく。 長谷 長谷敏司です。デビューは2001年12月で、2009年ぐらいからSFの仕事をするようになりました。いまはライトノベルとSFで二足のわらじを履いています。本日はよろしくお願いします。 藤井 長谷さんは作家デビュー後、すぐに専業作家になられたんですか? 長谷 もともと病気持ちだったこともあって、職に就いてなかったので、デビュー後はそのまま専業作家になりました。 1作1作自分のできることを広げていこうと考えながら書いてはいるんですけど、藤井さんみたいに1作ごとに読者層を広
砂がすべてを覆い尽くす世界、そこにぽつんと浮かび漂流を続ける船”泥クジラ”。その泥クジラには500名ほどの共同体で、サイミアと呼ばれる一種のサイコキネシス能力を持った短命の人々と、サイミアこそ持たないものの寿命が長く組織の運営にあたる人々が、大きな展望も広い世界もないものの慎ましく幸せに暮らしている──。「砂がすべてを覆い尽くす世界」「漂流を続ける”泥クジラ”」、それ自体が魅力的な単語ではあるが、いかんせん僕のような貧弱な想像力ではそれはどこか野暮ったさを感じさせるものしか浮かんでこない。おっとっとのクジラみたいなのと、ただただ汚いだけの砂の世界。 *1 一巻を読み始めてすぐに、どのような理屈もなく、絵の説得力によってただただ強制的に理解させられる。これだ、これこそが泥クジラであり、砂に覆い尽くされた世界とはこういうことを言うのだと。あまりにも印象的な”泥クジラ”の全景。まるでハウルの動く
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