一般的に、女性の価値を「若さ」「美しさ」におく社会認識があると言われている。フェミニストによるミス・コンテスト批判では必ず出てくる主張であるし、この文章を読んでいる人のなかにも日常生活のなかでそう感じたことがある人もいるだろう。 それでは、女性に対する認識は「若いほうがよい」「美しいほうがよい」という単純なものだけなのだろうか。以下では、「美魔女」へのバッシングを例に、より複雑な女性に対しての認識が存在していることについて考えてみたい。 批判によって浮かび上がる「呪い」 美容専門雑誌『美ST』(光文社)から「美魔女」という言葉が登場し、2010年代以降に普及した。「国民的美魔女コンテスト」が開催され、有名になった女性たちが本を出版したり、CDデビューをしたりと、徐々に彼女たちの存在は認知されるようになった。雑誌による定義はさておき、今や美魔女は「実年齢より若々しく見える美容に熱心な中年女性
![「美魔女」バッシングの背後にあった「意外な呪縛」の正体(谷本 奈穂) @gendai_biz](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/1f17da53168cbdeb360092895ee7ed666220a450/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fgendai-m.ismcdn.jp%2Fmwimgs%2Fe%2F0%2F1200m%2Fimg_e023fe507a07dd938d83d159ffa88563125870.jpg)