島津製作所は5日、100億年で1秒も狂わないとされる超高精度の「光格子時計」を発売すると発表した。同社と東京大、理化学研究所(埼玉県和光市)などのチームは昨年11月、光格子時計の小型化に成功していた。サイズは幅114センチ、高さ109・3センチ、奥行き65センチ。希望販売価格は5億円、販売目標は3年間で10台。 光格子時計を使うと、アインシュタインの一般相対性理論に基づき非常にわずかな標高差を観測できる。小型化したことで運搬が容易になり、火山や地殻変動の観測など幅広い活用が期待される。 光格子時計は2001年に香取秀俊東大教授が考案。レーザー光で作った格子状の空間に原子を閉じ込め、振動を測定する。現在の秒の定義に使われている「セシウム原子時計」の精度を大きく上回る。30年に国際機関が秒を再定義する予定で、候補に挙がっている。
