第8回「よろにく」・桑原Vanne秀幸 氏(後編) 文:本田 直之、編集協力:上阪 徹、写真:大槻 純一(特記なき写真) 07.27.2017 焼肉の業界を変えてしまった、と言っても過言ではない店。それが「よろにく」です。 2007年に同店をオープンした、オーナーの桑原Vanne秀幸さんは、もともとは売れっ子DJでした。焼肉業界どころか飲食業界の調理場の経験すらなかったのです。まったくの素人として「よろにく」を立ち上げました。 「よろにく」の料理は、多くの人が想像する一般的な焼肉店のそれとは様相を異にします。コース仕立てで料理が供され、季節に応じてトリュフまでが出てきます。焼肉業界では「よろにく以前、よろにく以後」という言葉があるほどで、肉料理の新しいカテゴリーを産み出した、とまで言われています。桑原さんが、料理人修業を経ずに開店した「よろにく」が、なぜ日本屈指の人気焼肉店となったのか。そ