ここ数日ずっと考えていた。 物事を正しく伝えるにはどうしたら良いのかと。 作品に対する批評とは主観的なものだ。 必ずしも賛同を得られるわけではない。蔑まれることだってある。 私自身が批判されるのは一向に構わない。しかし私の批評によって作品そのものに傷を付けてしまうのだけは避けたい。あれだけ多くの反響を受けて生半可な気持ちで無責任なことは書けない。 だからこそ前回の記事とTwitterでは十分に説明できなかった点も踏まえ、私が持てる全ての知識と経験、根拠と熱意を持って断言させていただこう。 「本作『エースコンバット7』はもはや面白くもなんともないフライトゲームになってしまった」と。 ※本記事にネタバレは含まれませんが、面倒くさいウンチクが多分に含まれます。 以前書いた記事 mrbird.hatenablog.com ・空を飛ぶ恐怖 空は美しい。 誰もが一度は目を奪われた経験があるはずだ。「ど
ChatGPTに世間が沸いている。 長年この分野を見てきた者としては「ちょっと沸きすぎ」のようにも見える。深層学習を使った会話ロボットは、何もChatGPTが初めてというわけではない。 ところが、世界中が驚かざるを得ないゲームチェンジャーが現れた。 その名も「FlexGen」と言う。2月15日に公開された。 特筆すべきは、FlexGenが、ChatGPTなどの大規模言語モデルを「従来の100倍高速に動かせる」上に、NVIDIA Tesla T4という、わずか16GBのメモリーしかないGPUでその性能を使えるということだ。 つまり、大規模言語モデルを秋葉原で売っているパソコン程度で動かせる新しいフレームワークが登場したことになる。 このインパクトがどれほどすごいのかを解説してみよう。 目次: 「Google翻訳」と「大規模言語モデル」は技術的にかなり近い 会話AIの正体とは何か ChatGP
いま生成AIが話題になっていますが、AI技術の一つである「プロシージャル生成」の考えも重要です。プロシージャルというのは数式や関数にもとづき3Dコンテンツを生成する手法で、「手続き型」とも言われます。自動的にデータを作り出すという側面から、生成AIとプロシージャル生成は混同されることがありますが、実はまったく違う背景を持つ技術です。Epic Gamesが新たにゲームエンジン「Unreal Engine 5.2」に搭載したプロシージャルコンテンツ生成機能(PCG)は驚くべきものでした。3月のGDCで発表されていたデモマップ「Electric Dream」が6月21日に公開されています。今回はこのデモマップを使って技術を紹介しながら、生成AIとの違いを見ていきます。 お待たせしました! Electric Dreams 環境サンプル プロジェクトを無料公開しました!#UnrealEngine 5
「ChatGPTで画像も出力できたらいいのにな…」 という問題が解決しました! さっそくですが、以下のプロンプトを「GPT4」に貼ればゲームを開始できます。 1,中世ヨーロッパの物語 GPT-4 AI ゲームマスターとして、あなたはプレイヤーが少女に協力して彼女と共に危機に見舞われた王国を救う冒険をするため、「交換日記と時空の絆」を導きます。 物語は、中世ヨーロッパの世界と現代の地球が絡み合った世界で展開されます。プレイヤーは、現代の地球で暮らす普通の人物であり、チャットを入力していると、それが手元にあった中世ヨーロッパの歴史が変わっていくことに気付きます。このチャットは、その時代に生きる少女、カイとチャットでコミュニケーションを取ることができる特別なものです。カイは冒険に際して手帳を持っており、そこにプレイヤーのチャットの内容が交換日記のように日を追うごとに追記されていきます。また、筆記
――小島さんは何歳までクリエイターを続けたいですか。 以前から「生涯現役」がモットーなので、死ぬまでゲーム開発は続けたい、と言い続けています。そのうちに、世界中でいろいろなAIエンジンが公開されて、それらのいい部分を採りながら自分のAIエンジンを作れるような時代になるかもしれない。映画もゲームもコストの大部分が人件費です。AIエンジンの時代になれば、コストは自分の人件費とAIの電気代だけになります。労働集約的なゲーム会社はなくなり、クリエイターとAIのコンビによるゲームスタジオが実現するかもしれません。その頃には、自分の意識が「コジマエンジン」というAIの存在になって、永遠に作り続けているかもしれません。 いつか映画も撮ってみたいですね。ゲームを開発していると難しいから、いつにするかですね。 映画の作り方も変化している ――映画にも5年かけるのでしょうか。 そうですね。映画だと5年くらいか
ゲームAI専業の会社・モリカトロンを、ゲームクリエイターの森川幸人氏が起業。ゲームAI専業の企業は「日本初」という。 人工知能(AI)を採用したプレイステーション用ゲーム「がんばれ森川君2号」などを手掛けたゲームクリエイターの森川幸人氏が8月16日、ゲームAI専業企業・モリカトロン(東京都新宿区・資本金200万円)を創業した。20年以上にわたってゲームのAIを研究してきた氏のノウハウを生かし、ゲームAIのコンサルティングや設計、開発、運用を担う。ゲームAI専業の企業は「日本初」という。 森川氏はプレイステーションの初期からゲームにAIを取り入れ、自ら設計・開発してきた。「ジャンピングフラッシュ!」(ソニー・インタラクティブエンタテイメント)、「がんばれ森川君2号」(同)、「ここ掘れ!プッカ」(同)、「アストロノーカ」(スクウェア・エニックス)などを手掛けてきた。 新会社は、キャラクターの自
こんばんは。夜中たわしです。 今回は『マリオネットAI』というインディーズゲームを紹介します。 本作はAI(人工知能)を構築し、チェスや将棋風のフィールドでユニットを戦わせるゲームです。対人戦も可能です。 カルネージハートやFF12の戦闘(ガンビット)が楽しめた方には無条件でおすすめできます。 提供されているのはPC版とAndroid版があり、PC版についてはつい先程Steamでも配信開始されました。 このゲームは開発者の方が偶然当ブログのゲームレビュー記事(ヒューマン・リソース・マシーン)を見つけて、似たテイストのゲームなので私の好みに会うのでは? とレビューの依頼をかけてくださいました。 お目が高い。遊んでみたところ、めちゃめちゃハマりました。 これはブログを書いてなかったらおそらく出会えていないです。 ありがたや。ありがたや。 ゲームシステム 自動戦闘とAI構築 AI道場(1人用モー
発売前や登場したばかりのインディーゲームから、まだ誰も見たことがないような最前線の作品を紹介してゆく「Indie Pick」。第441回目は『Ancient Cities』を紹介する。同作はインディースタジオ「Uncasual Games」が開発を続けている都市開発シミュレーションゲームだ。未開の荒野がどこまでも広がる原始時代を舞台に、プレイヤーは新たな文明の火種となりうる人類を導いて、古代都市を築き上げなければならない。 ゲームは新石器時代の後期、日本における縄文時代に当たる時代からスタートする。ゲーム内の世界は植物や動物の生命サイクルがシミュレートされており、プレイヤーはこれらを活用して食料や衣類を確保、さらには建物や施設を建設していくことになる。上手く人々を導くことができれば、当初の狩猟キャンプぐらいの拠点が次第に村へと発展し、最終的には城壁で守られた巨大都市へと成長する。 ゲーム内
世界最強棋士との三番勝負で完勝した囲碁AI(人工知能)「アルファ碁」を開発したグーグル傘下の英ディープマインド社が、対局に備えて積み重ねたアルファ碁同士による自己対戦の棋譜50局を公開した。棋士の理解を超える着手の連続に、「こんな碁はいまだかつて見たことがない」と碁界は騒然としている。 革新的な技術「ディープラーニング(深層学習)」を導入したアルファ碁は、高段者の棋譜を写真のように画像として読み込み、各局面に応じた好手を学習。人間の残す棋譜だけでは教材が足りず、アルファ碁同士が自己対戦を繰り返して能力を高めたが、その棋譜はほとんど非公表だった。 アルファ碁は5月23~27日、中国の世界最強棋士、柯潔(かけつ)九段を3戦全勝で圧倒。その後、ディープマインド社は「囲碁ファンへのスペシャルギフト」として棋譜50局を自社のホームページに公開した。 手数が進んだ特殊な状況に限り有効とされていた「星へ
歴史の話にくわえて、海外と日本のゲームAIを巡る「認識の落差」についても、三宅氏に語っていただいているので、ぜひ未読の方はご一読いただければと思う。 ところで、この「ゲームAI」史の記事の中で、1980年に発売されたアーケードゲームの名作『パックマン』が、どうやら「ゲームAI」の起源らしいという話が、三宅氏によって語られている。 「世界一売れたアーケードゲーム機」としてギネス記録にも載っている、この40年も昔の名作が「世界最古のゲームAI」でもある――それは一体、どういうことなのか。しかも、『パックマン』の開発人数は、たった7〜8人。どのような経緯で、当時のナムコは21世紀のゲーム開発にも通じる「ゲームAI」の発想を必要としたというのか。 ――実は、その謎を解き明かすイベントが、去る2016年12月12日に開催されている。 『人工知能の作り方 ―「おもしろい」ゲームAIはいかにして動くのか
鈴木裕氏: ただ、そうね……僕は全盛期に世界のトップシェアを取っていた日本が、こんなふうに海外に負けてしまったことが、やっぱり悔しいんですよ。だって、セガが全盛期の頃、僕たちは圧倒的な世界一のゲーム大国だったんです。(中略)ちゃんと新しい武器を製造しないとダメです。だって、良い武器があったら、色々なツールを工夫したりして、少人数でも勝てるんですよ。 そんな鈴木裕氏がインタビュー中、非常に強い興味を持って語っていたのがAI技術だった。そして先にズバリ言ってしまうと、この記事は、日本のゲーム産業が21世紀に世界市場で存在感を失い、今や新興国の国々までもが背後に迫ってきたシビアな状況に、実は「AI技術の軽視」という問題が一つあるのでは――という視点から強く光を当てるものだ。例えば、しばしば日本のゲーム業界の「敗因」として、グラフィックの人材不足や大規模マネジメントの失敗などの問題が挙げられる。だ
昨日は月例報告会で棋士に一連の経緯と自分の行動意図を説明しました。その後に囲み取材を受けましたが、報道された記事でこれでは発言が後退しすぎと言うか、最初から何もしなかったほうが良かったという体になってしまっているので、そこは訂正させてもらいます。連盟の公式HPでなく個人のブログに書くのは褒められた行為ではないかもしれませんが、ずっと誤解されるのは耐えられないので。 まず、島さんが言ったとされる自分の発言については島さんとの間での言葉のあや、解釈の違い、さらに報道を介すことで自分の本意ではない形で世に出てしまいました。これについては島さんとも確認した上で「渡辺君の本意でないなら直したほうがいい」と言ってもらったので昨日の月例報告会と取材でその旨を伝えました。初動から三浦九段を呼ぶまでに時間的余裕がなかったですし、自分も島さんに行動意図を丁寧に説明しなかったこと、島さんは対局者、主催者との折衝
こんにちは(ؓؒؒؑؑؖؔؓؒؐؐ⁼̴̀ωؘؙؖؕؔؓؒؑؐؕ⁼̴̀ ) 先日ラジオを聞いていたら「1から10の数字であなたが好きなのは?」という質問がありました。 自分は、6月生まれというのもあってか、「6」という数字が好きです。曲線が可愛くて、温かみがある気がします。 しかしリスナーの投票ランキングでは不人気な数字でした。。なんでや・・・_:('Θ' 」 ∠):_ さて、余談からになりましたが、前回の記事では「タイルマップの自動生成アルゴリズム」の解説をしました。(先に読んでおくと今回の内容を理解しやすいです) →「【Unity】「Trocco」で使った、タイルマップの自動生成アルゴリズム【基礎編】 - 藍と淡々」 今回はそれに関連して、これまた「Trocco」で使用した敵AIの作り方を紹介していこうと思います。 0、実際の敵の挙動 まず簡単に説明すると、前回解説した通り、1平方メート
「y_miyakeのゲームAI千夜一夜」(IGDA日本)続編です。各記事は個人的な意見で、IGDA 日本、所属する団体とは関連ないです。ゲームAI関連資料はこちらです。 http://blogai.igda.jp/article/66585525.html WEB+DB PRESS Vol.68 http://gihyo.jp/magazine/wdpress/archive/2012/vol68 に「ゲームAI特集」(特集3、32ページ)を執筆いたしました。 4/24(火曜日)から全国の書店で発売されています。 ゲームAIの基本について詳しく執筆しています。 ご一読頂けると幸いです。 特集3 はじめてのゲームAI ~意思を持つかのように行動するしくみ~ 第1章:ゲームAIの基本原理 意思決定を行うための6つの型 第2章:ルールベースAI 複数の規則を組み合わせる 第3章:ステートベースA
8. 2011年までのGDCのゲームAI全体の傾向 2008年: 大型ゲームAI & プロシージャル 2009年: キャラクターAI(アニメーション&パスファインディング) & メタAI Spore, Halo3, Assassin’s Creed… Morpheme 2.0, Warhammer Online(Kynapse), Halo Wars, Left 4 Dead http://www.digrajapan.org/modules/mydownloads/images/study/20090411.pdf http://igda.sakura.ne.jp/sblo_files/ai-igdajp/AI/IDGA_GDC08_Miyake_public.pdf 2010年: 大型ゲームAIの完成 & キャラクター制御の高度化 Uncharted 2, Sprinter Cell:
5. ご質問 http://www.facebook.com/youichiro.miyake Twitter: @miyayou 感想・ご質問は メイルtwitter やfacebookまで ゲームAI千夜一夜 http://blogai.igda.jp/ 三宅陽一郎 論文・講演資料集(4) http://blogai.igda.jp/article/92899318.html 6. Books Precomputed Pathfinding for Large and Detailed Worlds on MMO Servers Fabien Gravot, Takanori Yokoyama, and Youichiro Miyake http://www.crcpress.com/product/isbn/9781466565968 Table of Contents Genera
みなさん、こんにちは! Cygames Research 所属、リサーチャーの佐藤です。 いよいよリリースされましたShadowverse、楽しんで頂けていますでしょうか? トレーディングカードゲーム(TCG)が初めての方でも本格的な戦術と対戦が楽しめる、 シンプルで奥深い内容となっていますので、 まだ、という方は是非是非、御手に取って遊んでみてくださいね。 Shadowverse公式サイトはこちらから ShadowverseではNPC戦…AIの挙動についても、 開発陣のありったけの愛とこだわりを詰め込みました。 上の動画はNPC戦の様子をキャプチャしたものです。 画面上のダンディなオジサマ(AI)が、 スペルカードや進化の能力を駆使して、プレイヤーと一進一退の攻防を繰り広げていますね。 このような動きをするTCGのAIは、一体どのように作っていけば良いのでしょうか? 今回の記事では、Sh
[CEDEC 2015]なぜスクウェア・エニックスは,学生向けのAI講座「AIアカデミー」を実施したのか? 教育者向けの新講座も年末に予定 ライター:米田 聡 2014年7月に,スクウェア・エニックスは,学生を対象としてゲームにおける人工知能(以下,AI)を解説するイベント「スクウェア・エニックスAIアカデミー」(以下,AIアカデミー)を開催したことがある。5日間にわたって行われたイベントの第1回(関連記事)は,応募者数が予想を超えるほど盛況で,2014年内に再度開催されたというほど,好評だったそうだ。 三宅陽一郎氏(スクウェア・エニックス テクノロジー推進部 リードAIリサーチャー) そのAIアカデミーで講師を務めた,ゲームAIの第一人者である三宅陽一郎氏が,CEDEC 2015にて「スクウェア・エニックス AIアカデミーの試み 「ゲームAI技術のための教育カリキュラムを考える」と題する
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く