学校で、ゴールが倒れて子どもが犠牲になる事故が後を絶たない。国がゴールを固定するように呼びかけているのに、なぜ事故はなくならないのか。 「安全対策がポーズになっていないか再検討することが大切だ」。福岡県大川市で5月にあった小中学校の教職員向け研修会。西南学院大の中馬充子教授が、こう呼びかけた。 大川市内の小学校では1月、体育の授業中にサッカーをしていた当時4年生の男児(10)がゴールの下敷きになって死亡した。味方の得点を喜んだ男児がネットにぶら下がると、ハンドボール用の小型のゴールが倒れてきたという。 杭やロープなど、ゴールを固定する道具はあった。だが、固定するための鉄製の杭3本は現場にはなく、事故後に校庭の物置で見つかった。ロープは2本とも切れていて、破損の時期も不明だった。 市教育委員会によると、学校が固定状況を毎月確認する決まりだったが、昨年10月を最後に点検していなかったという。記