東京では寿司店や鮮魚専門店、スーパーをはじめ、多くの店で国産・輸入、天然・養殖を問わず、多種多様な魚介類が提供されている。それぞれ好みはあるにせよ、値が張る「上モノ」から大衆魚まで味わえるのは間違いない。だが、時折、地方から上京した若者から「東京で買う魚はおいしくない」という言葉を耳にする。きっと「上モノを食べていないからだろう」とか、「海の幸に恵まれた地方では、獲ればかりの魚が格安で手に入るからかな」と、軽く聞き流してきたのだが、よく考えると大きな矛盾があることに気付いた。【川本大吾/時事通信社水産部長】 【写真】おいしくない原因は「魚」自体ではない? 東京は魚の宝庫 多くのヒト・モノが集まる東京だが、伊豆諸島を除くと魚がたくさん水揚げされる漁港はない。ただ、豊洲市場(江東区)という日本一のマンモス魚市場が存在し、新型コロナウイルスが猛威を振るう中でも休場せず、営業を継続してきた。同市場
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