「ウォルフレン教授のやさしい日本経済(カレル・ヴァン ウォルフレン)」(参照)の書評もどきを書いたのは昨年の一二月一二日だった(参照)。昨今の状況に合わせて、二〇〇二年五月に出されたこの本を読み返していろいろ思った。 エントリを書くに当たって、私のモチーフは、単純である。郵政民営化に意義を認めるというものだ。 ネットなどを見回しても、民主党をはじめ、郵政民営化は問題ではないという意見が予想通り出てきた。だが、私は問題だと思う。 ウォルフレンはその点をこの本で特に重視しているとはいえないが、再読するに示唆となる点は示していた。 学習院大学の奥村洋彦教授は「日本は、家計資金の半分以上が、政府の金融機関たとえば郵貯とか年金関係で吸収されてしまうような異常な資金の循環をやめるべきだ」(「公的金融偏重の資金循環是正なくして金融再生なし」『論争東洋経済』二〇〇一年三月)と述べています。 奥村教授は、こ