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ブックマーク / d.hatena.ne.jp/FUKAMACHI (6)

  • 深町秋生の序二段日記

    いやあ、すごいもん見た。魂消たよ。 映画ファンやアメコミ好きにとってはひとつの「事件」と化している「ウォッチメン」の映画版。いよいよ日でも劇場公開となったが、なるほどこれはすごい。改めてハリウッドはどんどんおもしろくなっていくなあと思った。イラク侵攻の失敗と悪政と金融危機によって、格的に21世紀型ニューシネマの時代に突入したのだなあと思った。 昨年の映画界の話題をさらった「ダークナイト」でも、正義が混沌にぐいぐい呑みこまれていく暗黒物語が展開されていたが、「ウォッチメン」はさらに危うさを追求したエクストリーム大作に仕上がっていた。三分に一度の割合で噴出する容赦のない暴力も大変すばらしく、火あぶりや油ぶっかけ、指折り腕折り叩きつけ、切断感電木っ端微塵と、病的なほどに取り揃えられた暴力メニューの豊富さにエクスタシーを覚えたことも書いておく。暴力を見せる(魅せる)という意味では、「ダークナイ

    深町秋生の序二段日記
    udy
    udy 2009/03/30
  • 深町秋生の序二段日記

    東京の人口が未だに増え続けているという。もうすぐ1300万人を突破するとか。 仕事を追い求めて地方の人間がぞくぞくと集まっているのであろう。しかしそれだけではなく、リタイヤした高齢者もけっこう東京に向かっているのではないかと思う。仕事ほしさだけで人は上京するわけではないようだ。 先日、TBS系の深夜ドキュメント番組「ドキュメント・ナウ」を見た。この番組はわりと好感が持てて、大衆の現状というものを過剰に(古舘の過剰に深刻ぶった面にはうんざり)伝えることがない。テンポよく淡白にやるから鼻につかない。 先日は札幌における高齢者の集団生活の姿を追っていた。さまざまな理由で田舎で暮らせなくなった高齢者らが、札幌の元学生寮に集まって、スタッフとともに共同で生活するというもの。半介護施設といった感じだろうか。若者の減少によって空いた都会の学生寮に、地方で住めなくなった老人が集まるという姿が大変おもしろ

    udy
    udy 2009/02/02
    なかなかしっくりくる話。
  • 深町秋生の序二段日記

    エコや燃料高騰で自動車が話題になることが多い。 月末となるとガソリンスタンドが大混雑する風景が、新しい郊外の風景として定着しそうだ。月が変わるたびに値上げされているのだから。先月も道路に行列の車がはみ出していて、いたるところの街道に給油待ち渋滞ができていた。 ただでさえ自殺者が多い(凶悪事件なんかさっぱり起きない平和な町だけど、とにかく自殺とひき逃げだけは毎日のように起きている)貧乏タウンだというのに、ガソリンの値上げは地元民にとってかなり痛い。なにしろ自動車がなければどこにも移動できないからだ。 かつて自動車は個人主義のアイコンであり、アメリカ的な自由を示す代表的なアイテムだった。戦後は「おれもいつかは自家用車を」と誰しもが夢を持ち、バブル期は「いつかはアウディ、いつかはパジェロ」とかに変わっていった。車はずっと成功の象徴でもあったのだ。そしてそのころになると誰もが持っているものとの前提

    深町秋生の序二段日記
    udy
    udy 2008/07/03
    良エントリ。しかし結局どうにかしようとすればコンパクトシティでいきましょ、くらいしか言いようがないのだけど、それじゃあ移転のコストは誰負担?とか色々問題が。
  • 深町秋生の序二段日記

    実に日らしい映画を観た。ある意味究極の日映画だ。 昭和38年公開の「武士道残酷物語」である。原作は「シグルイ」でお馴染みの南条範夫。監督は左翼の巨匠今井正である。ベルリン映画祭で金熊賞に輝いた。 この作品は実に狂っていて、恋人が自殺未遂したのをきっかけに、現代青年であるサラリーマンがどういうわけか「これは自分の一族になにか理由があるのでは……」と実家に戻り、過去を調べるというもの。するとそこには七代にまたがる血の歴史が存在した。ジャーン……という話。 江戸時代初期から明治時代や太平洋戦争を経て現代まで。主人公の血筋である飯倉家の悲惨な歴史が七つも語られるのだが(老け役から少年まで中村錦之助が全部演じる)、おおかた話はすべて一緒である。「変態で冷酷で意地悪な権力者にあの手この手で虐められる」×7というハードコアな仕様なのだ。 例えば一話目では農民一揆(たしか島原の乱)に手こずった殿様(東

    udy
    udy 2008/01/15
    いつか観たい。かも。
  • 深町秋生の序二段日記

    12月上旬に姫路まで行ってきた。森達也氏の映画作品&講演目当て。 森氏といえば左派の売れっ子評論家という位置づけがなされているような気がする。まあ確かに死刑反対、反体制、反戦の姿勢を貫いていることもあって、そう思われるのも仕方ないかもしれないが、その一方で新右翼の鈴木邦男とを出したり、一水会の代表と息の合った対談をしたりと一筋縄ではいかない面も見せている。 しかしこの人のスタンスはわりあいはっきりしている。それは社会が普段目をつむってごまかしているところを追っかけるという「不都合な真実の追求」、それに白黒はっきりつけない「曖昧への固執」の二つである。(とくに後者はマイケル・ムーアとはっきり異なる点だ)ちなみに「不都合な真実」といえばアル・ゴアがいるけど、私は彼が嫌いである。マリファナ狂いのセガレや言論弾圧を計った女房の存在のほうがよほど不都合な真実だ。 彼が扱ったのは、羊のようにか弱いオ

    udy
    udy 2007/12/27
    森達也
  • 現代最重要コミック「シグルイ」 - 深町秋生の序二段日記

    やはり一度はしっかり取り上げておきたい。大人気コミック「シグルイ」について。今日はコミック評。 オチから先にいえば、コミックという枠組みを超えた現代日の娯楽表現の中でもっとも重要な作品の一つだと思う。少なくともコミック史に名を残すモンスターじみた傑作だ。 注目すべきはやはり強烈極まる残虐性だろう。身体が断ち割られ、内臓が露出し、鈍器によって頭がひしゃげ、目玉が潰れる描写が目白押しなわけで、紙から血の臭いが漂ってくるような凶々しさに溢れている。 しかし残虐性も重要なファクターではあるが、この作品のすごいところは、その残虐性を生み出す封建社会と武士道の質をきっちり理解しているところだ。偉そうな物言いだけど。そもそも民主主義の価値観が浸透した最近の日では、なかなかリアルな封建社会の価値観を描いた作品に出会えない。「あずみ」や「バガボンド」や「バジリスク」ももちろん傑作だが、やはりヒューマニ

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