石原慎太郎を精神分析する 週刊朝日別冊「小説トリッパー2001年秋季号 石原――どういう専門ですか。 斎藤――最近話題になっている「ひきこもり」という現象がありまして、それを専門にやっています。いまそういう若者が非常に増えていて、ある調査によると百万人以上いるとも言われています。 石原さんは高校生の時、不登校されてたんですよね。 石原――そう。僕はひきこもらなかったほうだけど、もう学校は嫌だったね。教師が嘘ばかり言っているのがわかったし、あの頃から学校は偽善的だった。感性なんて全く認めない環境でしたから。 斎藤――ちょっと意外だったのは、そのころから偏差値至上主義的な風潮があったんでしょうか。石原さんも東大に行くように教師から勧められたりしたそうですね。 石原――偏差値のメカニズムについては詳しくわからないけれども、いずれにしても、俗物主義的で、画一的な人間