スマホ時代を見据えた中吊り広告の廃止 客室は、車端部の優先席を増やす。従来は1車両の片側のみだった。E235系では各車両の両端に優先席を配置し、さらに片側には座席のないフリースペースを設ける。ここは車いすやベビーカーのための空間だ。また、座席数を減らして立ち客を多く乗せたいという意味もあるだろう。キャスター付きの大きな荷物を持つ人にも使いやすい空間である。ホームドアや優先席、フリースペースは社会状況の変化に対応した設計だ。 これに対して、E235系が新たに提案する部分もある。車内広告だ。E231系は中吊り広告を廃止し、荷棚の上部に液晶モニターを並べるという。これはかなり思い切った判断だ。列車単体で見れば、横並びの液晶モニターを使った大胆な動画広告にも使えるなど、表現力の向上が期待できる。また、テレビのスポット広告のように、複数の広告主でスペースを共有できるから、中吊り広告よりも掲載料の単価