結婚しようとする日本人カップルは、婚姻届でどちらの姓を選ぶのか記入しなければならない。日本では民法750条によって夫婦が同姓となることが義務づけられているからだ。当たり前のように思える夫婦同姓だが、世界では日本だけとなり、国連からは何度も是正勧告が出されている。 これに対し、選択制夫婦別姓の実現を目指す動きが今年に入って活発化している。1月には、ソフトウェア企業「サイボウズ」の社長、青野慶久氏ら4人が戸籍法上の問題を指摘して、東京地裁に提訴。5月にも、事実婚をしている7人が、別姓の婚姻届が受理されないのは「信条」の差別にあたるとして、東京地裁と立川支部、広島地裁の3カ所で同時に提訴した。こうした訴訟の原告は、いずれも自らの姓を選びたいと願っている人たちだ。 原告の1人、青野氏は2001年に法律婚をした際、妻の姓を選び、仕事では旧姓の「青野」を使用してきた。しかし、証券口座の名字を変えたこと