安倍首相は5日、読売テレビの番組に出演し、2019年10月の消費税率10%への引き上げについて、「予定通り行っていく考えだ」と述べた。 当初15年10月の予定だった10%引き上げは、首相が景気失速への懸念から2度延期している。内閣支持率の下落で与党内からもアベノミクスへの批判が出ており、財政再建に取り組む姿勢を強調した。今後の経済運営については「企業に働きかけて賃上げし、デフレからの脱却を目指したい」と述べた。 憲法改正を巡っては「野党を含めできるだけ多くの多数派を形成する努力は重ねなければならない。みんなで納得しないと国民投票で過半数を得るのは難しい」と語り、国会発議には幅広い合意が必要との認識を示した。
「共謀罪」法が15日に成立した。政府は「テロなどの組織犯罪対策に必要」と説明し続けてきたが、有効性への疑問や捜査当局による乱用を危ぶむ声は根強い。刑法の専門家はどう見るのか。高山佳奈子・京都大教授と、井田良(まこと)・中央大院教授に、反対と賛成の立場から考えを聞いた。 【写真】井田良・中央大院教授 ■高山佳奈子・京大教授 国民に説明する姿勢が、政府には最初から最後まで欠けていた。私たちは、今後の「共謀罪」の運用を注視すべきだし、適用されれば違憲訴訟も起きるだろう。改めて問題点を指摘しておきたい。 まず、「五輪を開くため必要な法律」という説明は、国民をだますための後付けだ。過去の政府文書を見ても、五輪のテロ対策と「共謀罪」を関連づけ始めたのは、最近になってからだ。 また、単独テロや単発的な集団テロはカバーできず、これでは「テロ対策」と言えない。一方で「組織的テロ」は現行法で十分に対応
●米国では捜査機関のスパイが標的を犯罪謀議に引き込む罠が横行。 ●私の取材対象だったイスラム教徒が「共謀罪」で逮捕された。 ●“共謀罪”成立後、捜査手法の拡大の動きが出るだろう。 米国の共謀罪 “共謀罪”・テロ等準備罪が国会で審議入りした。周知の通り犯罪の計画に合意した者を処罰する罪だ。反対が根強い“共謀罪”、いったい捜査ではどう使われるのだろうか。賛否を語るには、現場を見る必要がある。 米国には古くから「共謀罪」が存在し、捜査で幅広く使われている。実は私の取材対象だったニューヨーク州オルバニー在住のイスラム教徒2人も、この共謀罪でFBIに逮捕された。 事件の概要はこうだ。ピザ屋を経営するモハメド・ホサイン(バングラデシュ移民)は店に客として来た、マリックなる男と親しくなった。マリックは裕福な男だった。店に来るたびにホサインの子供たちにお土産を渡した。そしてピザ屋経営に資金援助をするように
「保育園を増やして」母親たちの声が共謀罪となる社会に 「戦前に、日本がどうして戦争へ行ったかというと、おそらくいまと同じだろうと思うんです。関東大震災があって未曽有の不景気になった。生活は苦しくなり、失業者はあふれ、労働組合運動をはじめさまざまな権利運動が活発になる。それを国は抑えにかかり、刑罰を強化して戦争へ向かっていくという構造です」 そう話すのは九州大学の内田博文名誉教授だ。「戦争ができる国」へ続く流れは、首相の悲願である憲法改正をゴールに見据えながら、着実にステップアップしているという。 「第2次安倍政権になってから2013年に特定秘密保護法が制定され、2015年に安保関連法も作られた。安保法は海外で暮らす日本人の保護を名目にしていましたが、これも戦前と同じ。資源獲得と邦人保護のためと称して、海外に軍隊を派遣していった経緯があります」 そんな中で戦争反対の声をあげるのは、母親を中心
激しい拷問のうえに獄中死。戦時下最大の言論弾圧事件 東京・日比谷公園にあるオープンカフェに、リュックを背負い、両手にも手提げ袋を持った小柄な女性が現れた。女性の名は、木村まきさん(68)。 「この店は、一昨年の12月10日に、横浜事件国家賠償訴訟・第17回口頭弁論の閉廷後、弁護団のみなさんとビールをいただいた場所なんですよ」 そう言ってまきさんは、リュックや手提げから何冊もの分厚い本や資料を取り出した。本には“横浜事件”の文字が躍っている。 戦時下最大の言論弾圧といわれる横浜事件。まきさんは元被告人・故木村亨さんの妻としていまなお横浜事件の歳晩を闘っている。 「私は戦後生まれですから、当時の空気を吸ったことはありません。でも、木村と出会って間もなく裁判のことで活動してきて、70年以上前に終わった事件ではないと身に沁みました」
共謀罪の目的はやっぱりテロ対策じゃなかった! ついに国会審議がはじまった共謀罪。19日の衆院法務委員会で安倍首相は、「我が国がテロ組織による犯罪を含む国際的な組織犯罪の抜け穴になることを防ぐ上において極めて重要」などと“テロ対策”であることを強調したが、もはやこんな詭弁が通用するわけがない。 というのも、今回の共謀罪の取りまとめ役となっている自民党法務部会長である古川俊治参院議員が、「テロだけじゃない」とテレビで断言したからだ。 その発言が飛び出したのは、昨日20日に放送された『羽鳥慎一モーニングショー』(テレビ朝日)の人気コーナー「そもそも総研」でのこと。コーナー進行役の玉川徹氏が共謀罪の重要人物である古川議員に取材を行ったのだが、そこで古川議員が語った内容は、まさに共謀罪の恐ろしさを裏付けるものだった。 たとえば、安倍政権は共謀罪の捜査対象はテロ組織などの「組織的犯罪集団」に限られてい
施政方針演説で「条約を締結できなければ東京五輪・パラリンピックを開けないと言っても過言ではない」と述べて以来、共謀罪の必要性を繰り返し強調する安倍首相。稀代の悪法が再びよみがえり、今、国会へ提出されようとしている。 共謀罪に詳しい山下幸夫弁護士はこう話す。 「安倍首相は“世界一安全な日本でオリンピックを”と五輪を誘致したのに、共謀罪がなければ危ないというなら、あのプレゼンは大嘘だったということ。今回の法案に反対しづらくするためのこじつけです」 今回の政府案では『共謀罪』にかわって『テロ等準備罪』という名称に変わっていた。名が変わっても、その本質は変わらない。ジャーナリストの大谷昭宏さんが指摘する。 「役人の常で“テロ等”と、“等”という言葉を入れてきた。でも、“等”が何を指すのかはわからない。これではなんでも含まれてしまいます。百歩譲って等を取ればいいが、すると日本ではほとんど適用されるこ
今日から仕事始めの人もいるでしょう。今日は、新年始まったことですし、もうそろそろいい加減に今年こそはぶっ壊したい、この日本の不条理を紹介します。ムカつきますが、ご注意くださいね。どうぞっ! ◎生活保護家庭の子どもは大学に行っちゃダメ憲法でうたう「健康で文化的な最低限度の生活」を過ごすため、我々には生活保護というセーフティネットを頼る権利があります。例えば病気や怪我などで働けなくなってしまって、実家も頼れない時。働いても賃金が低すぎて、とても家族を養えない時。役所に言って相談すれば、我々は支援を受けることができます。 こうした「最後のセーフティネット」と言われる生活保護ですが、重大なバグがあります。それは、生活保護家庭の子どもたちは、大学進学できない、というものです。 昔は大学に行くことがある種の特殊な、ともすれば贅沢なことだったので、税金を使ってそこまでは、ということだったのでしょう。しか
総務省は27日、18~20歳を対象に行った「18歳選挙権に関する意識調査」の結果を発表した。7月の参院選に行かなかった理由は、「今住んでいる市区町村で投票できなかった」が2割以上で最も多かった。進学や就職などに伴って住民票を移さないことなどが、投票行動に影響した可能性が浮かび上がった。 18~20歳(7月10日現在)の男女3千人にインターネット調査を行った。参院選で投票に行った人は52・5%、行かなかった人は47・5%だった。 投票に行かなかった人に理由(複数回答)を聞いたところ、「今住んでいる市区町村で投票できなかった」が21・7%で最も多く、「選挙にあまり関心がなかった」19・4%、「投票に行くのが面倒だった」16・1%と続いた。 子供の頃に親の投票について行ったことがある人のうち参院選で投票した割合は63・0%だったのに対し、ついて行ったことがない人は41・8%にとどまった。選
参院自民党は、「統合型リゾート(IR)整備推進法案」(カジノ法案)を14日までの国会会期内に成立させるため、参院内閣委員会で難波奨二委員長(民進党)が13日の採決に応じない場合、委員会採決を省略して本会議に持ち込む「中間報告」を行う調整に入った。 参院内閣委は12日、カジノ法案に関する参考人質疑を行う。その後、自民党は13日の委員会採決を目指しているが、与野党の合意はできていない。民進党の蓮舫代表は9日、「カジノ法案は一度廃案にして出し直すべきだ」と記者団に語り、カジノ法案に反対する考えを重ねて示した。 自民党は、難波氏が委員会採決を認めなければ、13日か14日の参院本会議で中間報告を行い、採決に踏み切る構えだ。内閣委員長を自民党に差し替えて採決する案もあるが、強引に成立させるイメージがより鮮明になる可能性があるため、多数意見にはなっていない。【飼手勇介】
カジノを中心とした統合型リゾート(IR)を推進する法案(カジノ法案)が、12月6日の衆議院本会議で可決され、7日から参議院で審議入りした。 衆議院での審議時間は、わずか6時間足らずだった。 この点(審議の時間が十分でなかったこと)について 「国会軽視だ」 「審議不足だ」 という批判の声があがっている。 国会を言論の府であるとする建前からすれば、もっともな批判だ。 とはいえ、与党が3分の2以上の議席を占め、与党外からも賛成にまわる勢力(維新の会)が合流している以上、どんな手順で議論を進めたところで、採決の結果は動かない。与党側が、審議を尽くしたという外形を整えるために、それなりの審議時間を費やしたのだとしても、結果として法案が変更なしに可決されるのであれば、実質的に何が変わるわけでもない。 つまるところ、われら有権者が、政権与党に単独で議決可能な数をはるかに上回る議席を与えている以上、いま起
雇用保険制度の見直し内容が8日、決まった。 うち失業手当の給付日数は、倒産・解雇で離職した人の一部や有期契約が更新されない雇い止めで離職した人を対象に拡充する。労働者側が強く求めた自己都合で離職した人の給付拡充は、使用者側がモラルハザード(倫理の欠如)を助長すると反対し、今回も見送られた。厚生労働省は法改正を経て2017年度に実施する。 倒産・解雇で離職した30~34歳(被保険者期間1年以上5年未満)と35~44歳(同)の給付日数は、受給期間中の就職率が低いため30~60日増やし、120~150日にする。雇い止め離職者の給付日数を倒産・解雇の離職者と同じ90~330日に拡充する暫定措置は21年度まで5年間延長する。
なんなんだ、この結末は? 1日、あの甘利明前経済再生担当相について、東京地検特捜部が不起訴処分にするというニュースが、一斉に流れた。しかも、甘利本人だけではなく、同じく告発を受けていた公設秘書2人も立件見送りになるという。 いっておくが、犯罪が軽微だったわけではない。甘利がやったことは、今、マスコミが大騒ぎしている舛添要一都知事の政治資金問題などとは比べ物にならない、政治家としては最も悪質な賄賂事件だった。しかも、特捜部は最近、政界捜査に弱腰になっていたとはいえ、小渕優子元経産相や小沢一郎のケースのように、秘書の立件まではやるのが普通だった。それが、今回は一切なんのおとがめもなし。これはいくらなんでも異常すぎるだろう。 取材してみると、今回の不起訴決定の裏には、法務省幹部の露骨な捜査潰しの動きがあったことがわかった。しかも、この幹部は明らかに官邸と深いつながりのある人物だった。 捜査潰しの
甘利明前経済再生担当相の現金授受問題で、東京地検特捜部は31日、あっせん利得処罰法違反罪と政治資金規正法違反罪で刑事告発されていた甘利氏と元秘書2人を不起訴処分(嫌疑不十分)とした。甘利氏はこれまで「あっせん利得処罰法に当たるような事実はない」と口利きなどを否定していた。 特捜部は甘利氏側が不正な口利きを行い、補償金の支払いを斡旋(あっせん)した事実は確認できなかったと判断したとみられる。都市再生機構(UR)も、これまでに口利きを否定していた。 甘利氏側に現金を渡していた千葉県白井市の建設会社「薩摩興業」の総務担当だった一色武氏(62)は、産経新聞の取材に甘利氏側が口利きを明確に認識していたと証言。特捜部は現金授受の経緯などについて、甘利氏から任意で事情を聴いていた。 甘利氏の説明によると、元秘書は平成25年8月、URと補償交渉していた建設会社側から500万円を受領したが、政治資金と
冤罪防止を目的とし取り調べの可視化を義務付けた「刑事訴訟法改正案」が成立しました。しかしこの法案についてメルマガ『国家権力&メディア一刀両断』の著者・新 恭さんは、「公権肥大の危うさをはらむばかりではなく深刻な問題がある」と警鐘を鳴らすとともに、舛添氏騒動にかまけて法案可決・成立を見過ごしてきたといっても過言ではないマスコミを断罪しています。 なぜ捜査権力肥大の刑訴法改正を許したのか 救いがたい公私混同知事、舛添要一相手なら文句はつけぬ―。そんな安倍自民党の空気を感じ取ってか、テレビは日頃の自粛ムードの鬱憤を晴らすかのように、舛添バッシングを続けている。 たしかにあの会見は見苦しい。渋々とはいえ都知事選で応援してもらった自民党から「ガス抜き装置」扱いされるのも、うなずける。 だが、大マスコミがこの騒ぎにかまけて、公権肥大の危うさをはらむ刑事訴訟法改正案の可決、成立を、通り一遍の報道で見過ご
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く