ひとがた流し 作者: 北村薫出版社/メーカー: 朝日新聞社発売日: 2006/07メディア: 単行本 クリック: 17回この商品を含むブログ (104件) を見る 新聞連載をまとめたものだと読み終えてから気づき、至極納得。北村薫の小説の巧さがきりりと光る、とても端正な小説だった。 昔からの友人関係にあり、三角形をなす女性3人が物語の核にあって、語り手を変えながらそんな彼女らの日常が淡々と綴られるのだけど、小説が進むうちに、彼女らが歩んできた人生がくっきりと浮かび上がってくるところがいい。3人が3人とも、人生の苦渋を舐めてきたからか、背筋がぴんと伸びた、凛々しい女性ばかり。いつしか単なる友人以上の近しい存在になった、固い絆を結んだ彼女らのことが羨ましくなってくる。強くそう思ったのが、三角形をなす友人関係の一点が失われそうになってから。 6章まであって、各章の中で、些細なものから重要なものまで
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