北村薫さんの最新長篇『ひとがた流し』*1(朝日新聞社)を読み終えた。北村さん初の新聞連載小説である。 わが家も購読している朝日新聞に連載されたものだが、最初の数回読んだきり「いいや、あとは単行本になってから読もう」と読みつづけるのを放棄した。せっかく連載というリアルタイムで読むことができるのだから、享受すればいいものを、やはりわたしは「本のかたち」になっていないと読めないらしい。内容的に興味があったとしても、雑誌連載では読む気が起きない。雑誌に一挙掲載というものであっても駄目だ。新聞や雑誌を読み込むことが苦手なのである。 さて本作品は、北村さんの主舞台であるミステリではない。『スキップ』『ターン』『リセット』のいわゆる「時の三部作」のようなSF的仕掛けもない。小学校以来の同級生仲間(ひとりは高校からの同級生)である三人の女性とその家族が主な登場人物である。 三人の年齢は四十を越えている。そ
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