著:川西蘭 画:池田進吾 ピュアフル文庫*1秘かに音大への進学を目指す慎一(17)、パパと新しいママの関係に心を痛める奈津美(14)。手を振った相手が自分だと勘違いして手を振り返したことがきっかけで二人は――正統派ボーイミーツガール小説。 川西蘭の作品に登場する男の子には、赤頭巾ちゃん気をつけて(庄司薫) *2にも共通する こんなイイ目に合うなんて!的感情を抱いてしまうんですが、本作もそう。奈津美の気分で慎一を見ると、良い感じの男の子なんだけど。 男の子の設定は似ているのに、プラトニックラブチャイルド(久美沙織) *3では何故かこういう嫉妬臭い感情はあんまり感じない。 これって、男の子の《理想形》を描いたのが男性なのか、女性なのかの差なのかも、なんて思います。 とんでもなくすごい偶然が重なっていても、淡々とした二人の態度のせいか、何故か不自然な印象を受けません。それとも慎一のありえなさ感の