「わたしはこう思うのです。お茶を<掬う>ということは<救う>に通じるのではないかと。もちろんおっしゃるとおり、昨夜は思いがけず女性を愛執から救う形になりましたが、それだけではなく、連客の心も何がしの形で解放し救えるものではないかと。少なくとも僧侶であるわたくしのは茶そのようなものであるべきだと。無論、まず最初に自分を救わねばなりませんが」 ちょー面白い!お茶なんかやりたくないと逃げてるのに、結局お茶と向き合うことになる家元の息子のバカっぷりと、個性豊かな京の茶人たちのやり取りがたまらない。なんか京都に行きたくなったなあと思いながら、下巻に取り掛かることにする。 → 感想