昨年末、クリスマス・イブのころから早々とIT企業各社のトップによる年頭所感がメールで届き始めた。そのほとんどが、クラウドをはじめとする流行語をちりばめ、事業の軸足をどこに置くかに言及したもの。だが、なかには一企業としての事業計画だけではなく、国やIT業界の明日について意見を述べたものもあった。 折りしも1月3日にNHKで大河ドラマ「龍馬伝」の放送が始まった。すでに第1部の放送が終了した「坂の上の雲」と併せ、これら年頭所感には何か相通じる思いが込められているように感じた。それは、「何かおかしい」という疑問と「この国はきっと変わるはずだ」という希望である。このことを感じていただくために、以下では「龍馬伝」の一場面、そしてソフトバンク社長の孫正義氏とインフォテリア社長の平野洋一郎氏の年頭所感の抜粋を紹介したい。 「みんな変わらん言うけんど、わしはそうは思わん」---NHK「龍馬伝」 まず、「龍馬