物作り学習 絶好の機会 大学や高等専門学校の学生たちが人工衛星を製作し、打ち上げる活動が広がってきた。構造設計やコンピュータープログラム開発、電子回路の組み立てなどを分担、協力して衛星を完成させる過程は物作りを学ぶ絶好の機会になっている。 東京都立産業技術高専の人工衛星「輝汐(きせき)」が今年1月、宇宙航空研究開発機構の大型ロケットH2Aで宇宙へと旅立った。1辺約15センチの立方体形。信号の送受信システム不調のため、宇宙空間を移動させる実験は延期しているが、今月にもシステムを復旧させ、再挑戦する予定だ。 「学生たちの成長は目覚ましかった」。同高専の石川智浩准教授は5年がかりの衛星作りを振り返った。「最初は受け身だったが、問題が起きる度に自分たちで話し合い、解決するようになった」と評価する。 かかわった学生は約40人。教員の支援も受け、放課後や夏休みなどに取り組んだ。4年生の岡田奈雄登さん(