すげー面白いぞ、これ。 実を言えば、エリクソンという名前を知ったのもわりと最近のことで、これが初めて読んだエリクソンなのだけど。 ジャンルとしては、パラレルワールドものメタフィクションで、設定だけいうと何というか陳腐に聞こえてしまうかもしれない。つまり、ナチスドイツが敗れなかった架空の20世紀が舞台になっていて、ヒトラー専属となったポルノ小説家が主人公になっていて、彼の書く小説の世界がどうもナチスドイツの敗れている実際の20世紀の方なのではないだろうか的な感じになっている。 しかし、実際読めば分かるが、そのような単純な構成にはなっていない。 基本的には、そのポルノ小説家の男が焦点人物となって進行していくのだが、それ以外にも3人くらい主要な焦点人物がいて、後半はあちこちに連れて行かれる。読んでいて、ここは今、どっちの世界なんだーと思うが、もう既にどっちの世界とかは特定できない。 それから、古