クラウドのシェアは米AWSの約30分の1にとどまり、新たな収益源と見込む「Watson」も期待ほど伸びていない。米IBMは、巨大ゆえに滅びた恐竜の命運をたどるのか。 2011年、米人気クイズ番組の優勝者に勝利し、華々しく登場したWatson。日本でも2015年以降、金融機関を中心に採用ラッシュが起こった。しかし、利用企業は期待と現実の差を埋められず、産みの苦しみに直面する。 「ユーザー企業はWatson(ワトソン)の夢から覚めた」。日本IBMと競合する国内IT大手の幹部は、米IBM初代社長の名を冠するAI(人工知能)システム「Watson」の現状をこう揶揄する。国内大手金融機関などが導入にいち早く動いたが、理想と現実のギャップに苦しんでいる。メガバンク最大手の三菱UFJ銀行もそんな1社だ。 「PoC(概念実証)を始めたばかりの頃はバラ色のような未来を思い描いていたが、期待したほどの成果は出
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