オイディプスとスフィンクス(スピンクス)の神話は謎をはらんでいる。それ自体が謎を主題とした神話なのに加え、「神話の意味するところ」を探る人々にとってこれほど深層意識を掘り起こしてくれそうな物語もないと思われる。 文化人類学の重鎮クロード・レヴィ=ストロースは『構造人類学』第11章において、これまでとはまったく違った「構造」という観点からスフィンクス神話、というかカドモスからアンティゴネに至るテーバイ神話群を分析して見せている。レヴィ=ストロース風に言うならばこの分析は余技のようなものだが、あまりに見事なので彼の構造主義的神話分析の代表例ともされてしまっている。 でも日本語のウェブを見るとスフィンクスに興味を持つ人はいても(とくに、謎解きと自殺の理由)これを知らない人は多そうなので、ここで紹介してみることにする。詳細は本読んでください。 IIIIIIIV ゼウスにさらわれた妹エウロペをカドモ
![オイディプス神話の構造 - 神話に生き、幻想に死ぬ](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/6433d4789d6e272ca6c8926050194d622223cc90/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fimages-fe.ssl-images-amazon.com%2Fimages%2FI%2F51IZhx1hqIL._SL160_.jpg)