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魚と韻文に関するushiwatatのブックマーク (1)

  • 秋刀魚の歌

    あはれ 秋風よ 情〔こころ〕あらば伝へてよ ――男ありて 今日の夕餉〔ゆふげ〕に ひとり さんまを〔くら〕ひて 思ひにふける と。 さんま、さんま そが上に青き蜜柑の酸〔す〕をしたたらせて さんまをふはその男がふる里のならひなり。 そのならひをあやしみてなつかしみて女は いくたびか青き蜜柑をもぎて夕餉にむかひけむ。 あはれ、人に捨てられんとする人にそむかれたる男と卓にむかへば、 愛うすき父を持ちし女の児〔こ〕は 小さき箸〔はし〕をあやつりなやみつつ 父ならぬ男にさんまの腸〔はら〕をくれむと言ふにあらずや。 あはれ 秋風よ 汝〔なれ〕こそは見つらめ 世のつねならぬかの団欒〔まどゐ〕を。 いかに 秋風よ いとせめて 証〔あかし〕せよ かの一ときの団欒ゆめに非〔あら〕ずと。 あはれ 秋風よ 情あらば伝へてよ、 夫を失はざりしと 父を失はざりし幼児〔おさなご〕とに伝へてよ ――男あ

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