音ズレ・不調和、古楽奔放2008年11月27日 印刷 ソーシャルブックマーク エルヴェ・ニケ指揮コンセール・スピリテュエルの舞台。右端のトランペット奏者たちをはじめ、管楽器奏者は皆立ったままだった=池上直哉氏撮影 ■先入観取り払う試み いにしえの響きを追い求める古楽演奏。その繊細かつ親密な響きはかつて、ヒーリング音楽の象徴にもなっていた。しかしこの秋、音がはずれようが調和しまいが気にしない、そんな奔放な発想にどきっとさせられる古楽の企画が日本で相次いだ。 舞台上の奏者、ざっと数えて80人。奏でるのはおなじみヘンデルの「水上の音楽」に「王宮の花火の音楽」だ。東京・西新宿のオペラシティで開かれた、エルヴェ・ニケ率いる古楽アンサンブル「ル・コンセール・スピリテュエル」の演奏会。イギリス国王ジョージ1世の船遊びや、ジョージ2世が催した華々しい花火ショーで奏でられた音楽を、当時の状況のままに演奏する