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ブックマーク / courrier.jp (12)

  • 是枝監督「貧しい家庭に生まれていなかったら、今と同じ映画は撮らなかっただろう」 | スペイン紙のインタビュー

    是枝裕和が孤高の戦士であることを理解するのに、彼について多くを知る必要はない。墓地のように静まり返った部屋の隅に腰かけ、泰然とした穏やかさを湛えている彼は、まるで日の民間伝承に数多登場する僧兵のように(こんなありきたりな表現をすることを彼にお詫びしたい)、「羽織」スタイルのジャケットをまとっている。モダンな着物タイプのその服は灰色を帯びた青い色調で、パリのホテルのカーテンの色彩に紛れている。 監督はこの街に一時滞在中で、その2時間を私たちのために割いてくれた。今回の彼のミッションは、自身の2つの新プロジェクトを発表することだ──スペイン2022年12月21日に公開された映画『ベイビー・ブローカー』、そして2023年1月12日に「ネットフリックス」で配信がスタートするシリーズ『舞妓さんちのまかないさん』である。 これらの作品で是枝は、自身が好んで取り上げてきたテーマをなお掘り下げている─

    是枝監督「貧しい家庭に生まれていなかったら、今と同じ映画は撮らなかっただろう」 | スペイン紙のインタビュー
    usuzumineko
    usuzumineko 2023/01/07
    時々、日本人であっても(だ、からこそ、か)海外メディアの方が事実を引き出すことがある。その好例。日本では家族のこととか日本の名監督との比較とか聞けない
  • 「渋谷のんべい横丁」が世界の都市開発のモデルになる理由 | 英経済誌が分析

    東京には再開発の波に飲み込まれず、戦後の面影を残す、雑然とした「横丁」がちらほら残っている。いまや“風前の赤ちょうちん”のところも少なくないが、そんな東京の酒場が、世界の大都市をより人情味ある場所へと変えるうえで大事な先導役になるかもしれない。英誌「エコノミスト」がその理由を紹介する。 物の東京は最小空間にあり──世界で最も人口密度の高いこの大都市に住む者なら誰しもが知っていることだ。 日の首都は、大きな幹線道路が大動脈の都市ではない。その“生き血”はむしろ、絡み合った細い路地から、細い建物の階段を上がり、小さい商店や狭い飲店へと流れている。 渋谷駅のすぐそばにある、うっとりするほど挑発的な居酒屋が軒を連ねる「のんべい横丁」がそのいい例だ。 その38軒の平均面積は5平米を下回るほどしかない、と建築家で慶應大学で教えるホルヘ・アルマザンとその同僚たちによる新刊『東京の創発的アーバニズム

    「渋谷のんべい横丁」が世界の都市開発のモデルになる理由 | 英経済誌が分析
    usuzumineko
    usuzumineko 2023/01/01
    私は山手線の内側の下町に長く住んでるのはムダがあるから。東京のそこかしこに適当に無駄というかよく分からない店がある。ただそれだけで都市の余裕だと思うの。
  • イナバ家とヤカマ族─日系米国人一家と先住民族の100年にわたる友情物語 | 反日感情と強制収容の歴史を乗り越えて

    米ワシントン州で3代にわたって農園を営んできたイナバ家は、そのファミリービジネスを良心的な値段で先住民ヤカマ族に売却することを決めた。それは、日系米国人が差別に苦しんでいた時に何度も助けの手を差し伸べてくれた先住民への「恩返し」だった。 2つのコミュニティの懸け橋 ワシントン州東部ワパトにあるイナバ農園の私道には、伝統的な日の提灯(ちょうちん)が飾られている。その明かりの先に、細々と出発したこの農園の背後にある豊かな歴史が垣間見えるような気がする。 先住民ヤカマ族の埃っぽい砂漠道から少し外れ、ホップ畑やリンゴ園を過ぎた場所にあるこの農園は、約1世紀にわたって2つのアメリカ人コミュニティの懸け橋となり、彼らの逆境を乗り越える力や互いを受け入れる寛容さ、そして未来への希望の象徴となっている。 ロン・イナバ(67)は、農園を経営する一族の3代目であり、最後の世代となった。というのも、彼は長きに

    イナバ家とヤカマ族─日系米国人一家と先住民族の100年にわたる友情物語 | 反日感情と強制収容の歴史を乗り越えて
  • 哲学者マーサ・ヌスバウムが説く「恐怖は必ずしも悪いものではない」 | 問題は、政治の背後に「どのような感情があるか」

    世界有数の影響力ある哲学研究者となる以前、マーサ・ヌスバウムは俳優であった。ギリシャ悲劇の上演に特化した、ある劇団の一員だったのだ。 その経験は、彼女が「公的な知識人」という役割を演じるうえで間違いなく助けとなってきた。「哲学者には、大衆に語りかけ、大衆の関心に貢献する責任があります。そして私は、教壇に立つのと同じぐらい文章を書く才能があるので、その役割にふさわしいのです」。彼女は謙虚さを装うことなくそう認める。 ヌスバウムは、哲学的観点から多岐にわたるテーマを分析してきた。道徳心理学、政治、経済、フェミニズム、文学と哲学の関係──数多の賞に加えて、65の大学から名誉学位を受けるという栄誉にもあずかっている。また、ヌスバウムはこれまでに500を超える論文と27冊の著書を発表してきた。さらに2023年1月には28冊目となる『動物のための正義──私たちの連帯責任』(未邦訳)を刊行予定だ。 ス

    哲学者マーサ・ヌスバウムが説く「恐怖は必ずしも悪いものではない」 | 問題は、政治の背後に「どのような感情があるか」
  • 「同性愛のイスラム宗教指導者」が語るカミングアウトまでの苦悩と平等への願い | 息子がゲイだと知った母は泣き崩れ、コミュニティからは追放…

    同性愛を厳しく取り締まる国が多いアフリカで、ゲイだと公表しているイマーム(イスラム教の宗教指導者)がいるという。LGBTQ+のために、社会と宗教という二つの圧力に抵抗するムシン・ヘンドリクスが、自身が力を注ぐ啓発活動にかける思いを語った。 南アフリカの首都・ケープタウン郊外にある工業団地内の質素な部屋に、サフィア・カーン(32)はいた。大学講師を勤める彼女の隣には、パートナーのタイが座っている。 2人が「マスジデゥル・ガーバー」と呼ばれるモスクを訪れるのは2回目だ。同モスクは、性的指向やジェンダーアイデンティティ、信条によって差別されるイスラム教徒(ムスリム)を支援するNPO「アル・ガーバー基金」によって運営されている。カーンは言う。 「このモスクのイマーム(イスラム教の宗教指導者)、ムシン・ヘンドリクスはとてもいい人です。彼は、タイの『三人称』が何かを聞いてくれました(註 近年、英語圏で

    「同性愛のイスラム宗教指導者」が語るカミングアウトまでの苦悩と平等への願い | 息子がゲイだと知った母は泣き崩れ、コミュニティからは追放…
    usuzumineko
    usuzumineko 2022/12/13
    “「同性愛のイスラム宗教指導者」が語るカミングアウトまでの苦悩と平等への願い”かつてキリスト教も同性愛を弾圧した。イスラームも変わることを願う。
  • 10年間、毎日同じ夕食を食べ続ける幸せ──俺の家族は71匹の羊たち | クリスマスもイースターも、魚2切れと玉ネギと卵と…

    俺が望むものはすべてここにある 俺は72歳。71匹の羊たちの世話をする農家の人間だ。 生まれてからずっと、西ウェールズのテイフィ渓谷で暮らしている。少年の頃から、実家の農場を手伝うのが当たり前の生活だった。成人してからも、ここから出たいと思ったことは一度もないし、この渓谷で暮らすこと以外は考えられない。30年ほど前にイングランドの農場を訪れたことがあるが、ウェールズの外に出たのはその一度だけだ。 幼なじみたちの多くは、都会で仕事を見つけた。若かりし頃、スコットランドの石油掘削作業員の仕事の声がかかったことがあったが、ウェールズを離れる気にはなれなかった。俺の人生は、この地の木々や鳥たちと共にある。たとえよそに行ったとしても、きっと渓谷のことばかり考えてしまうだろう。 それなら出て行くことに何の意味があるだろうか? 俺が望むものはすべてここにある。 俺には、自然と同じように日課がある。それは

    10年間、毎日同じ夕食を食べ続ける幸せ──俺の家族は71匹の羊たち | クリスマスもイースターも、魚2切れと玉ネギと卵と…
    usuzumineko
    usuzumineko 2022/12/12
    私はできないが「足れりを知る」と言うのは幸福の一つの形だと太古の昔からブッダさまも偉大な人々はがもうしておる。ここまて極端じゃなくてもそう言う部分はあるよね。限界はある。
  • ロシア人歴史学者「プーチンはベラルーシから核兵器を撃つだろう」 | 大規模な戦争をはじめない限り、プーチンの地位は安泰

    終わりの見えないウクライナでの戦争だが、プーチン大統領が予備兵の動員を発令したことは、ロシア衰退の兆しなのだろうか。同国が降伏することは、あるいはプーチンが失墜させられることはあり得るのだろうか? ロシア出身の歴史学者ユーリー・フェリシチンスキーに、スペイン紙「エル・パイス」が取材した。 クリミア侵攻は「誤りを正す計画の始まり」だった ユーリー・フェリシチンスキー(1956年、モスクワ生まれ)は、1978年からアメリカに拠点を置く歴史学者だ。ロシアの秘密情報活動の研究を専門としている。 2002年には、アレクサンドル・リトビネンコと共著で『ロシア闇の戦争―プーチンと秘密警察の恐るべきテロ工作を暴く』を出版。公式にはチェチェンのテロリストの犯行とされた1999年の高層アパート爆破事件に、ロシア諜報部の関与が疑われることを明かす一冊だ。著者たちによれば、事件の真の狙いは低迷していたプーチン大統

    ロシア人歴史学者「プーチンはベラルーシから核兵器を撃つだろう」 | 大規模な戦争をはじめない限り、プーチンの地位は安泰
    usuzumineko
    usuzumineko 2022/10/27
    ワーストケースの予測だがないとは言えないのが恐ろしいところだ。そして国益や指導者の方が人民より重視されるは今見ている。核はあってもおかしくない。ベラルーシからなら。
  • カズオ・イシグロが蘇らせた映画『生きる』 「あなたの人生は取るに足らないものかもしれない」 | 黒澤映画のリメイクに挑む

    カズオ・イシグロは、自身が映画通であると告白している。そして、彼にとって不可欠な人物に言及する際は、作家よりもまず2人の映画監督の名を好んで挙げてきた。その2人とは、小津安二郎と成瀬己喜男だ。 作家で2017年ノーベル文学賞受賞者のイシグロが彼らを選ぶのは、そこに彼自身の姿を見るからだ。「抑制の達人」──機微のない定義でそう呼ばれているように、『日の名残り』『わたしを離さないで』(両作には輝かしい映画化作品もある)といった小説をイシグロは手がけてきた。 そして今回、黒沢明の傑作『生きる』を原作とした映画『生きる LIVING』で、オリヴァー・ハーマナス監督と初めて映画のリメイクに挑んだのだ。 映画『生きる』にイギリスの要素を取り入れる ──エリザベス女王が亡くなりました。この変化のときに、あなたはどのような省察をしていますか? 今は複雑なときですね。でも、ブレグジットを遂行して以来ずっとそ

    カズオ・イシグロが蘇らせた映画『生きる』 「あなたの人生は取るに足らないものかもしれない」 | 黒澤映画のリメイクに挑む
    usuzumineko
    usuzumineko 2022/10/16
    時代の寵児(むしろ若い頃)だったイシグロ。ディストピアと英国紳士の没落の2つを描く作家性ながら普遍を求めるのはわかる気がする。黒澤がヒューマニストかつ権謀の映画の2面を持つのと同じか。
  • 「学習支援室は“私の実家”」難民の人生に伴走してきた日本語教師が語る「場づくり」の可能性 | 【日本の「国際協力NGO」図鑑】

    技能実習生や入管収容者への劣悪な待遇、コロナ禍での厳しい入国制限措置などが議論を呼んだ日にとって、外国人が居心地よく暮らせる環境を整えることは喫緊の課題だ。 社会福祉法人「さぽうと21」は、日に暮らす難民の日語学習や生活面を40年以上も支援し、この問題に向き合ってきた。同団体の事務局長である堀江良彰さんと、学習支援室チーフコーディネーターの矢崎理恵さんに、多様な背景を持つ人たちが共に生きる社会を作るうえで大切なことを聞いた。 「さぽうと21」ってどんな組織? 1979年、政変でベトナムやカンボジアなどから日に逃れてきたインドシナ難民の定住支援を目的に、前身組織である「インドシナ難民を助ける会」(現・認定NPO法人難民を助ける会[AAR Japan])が設立された。1992年に国内事業を引き継いだ社会福祉法人「さぽうと21」が活動を開始。日に暮らす難民や中国からの帰国者、日系定住者

    「学習支援室は“私の実家”」難民の人生に伴走してきた日本語教師が語る「場づくり」の可能性 | 【日本の「国際協力NGO」図鑑】
    usuzumineko
    usuzumineko 2022/10/01
    難民を助ける会は定期支援にしてたけど、こちらもしたい。試みが素晴らしすぎる。ご縁があった外国の方がお菓子を持ってくるありがたみよ
  • 作家ポール・オースターの息子 父との複雑な関係と薬物死 | 父と継母の小説の「ネタ」にされて…

    作家ポール・オースターの息子が薬物死したのをご存知だろうか。幼い頃から父の作品に登場し、クラブシーンと薬物に溺れていった彼は、どんな人生を送ってきたのか──。米紙「ニューヨーク・タイムズ」が振り返る。 2022年4月のある朝、ブルックリンの地下鉄で44歳の男が意識不明の状態で発見された。男の名前はダニエル・オースター。薬物の過剰摂取が原因だった。彼は病院に運び込まれたが、延命治療を止めた6日後に死亡した。 DJや写真家として活動したダニエルは、長いあいだ薬物依存症と闘ってきた。彼は、作家のポール・オースターと、同じく作家のリディア・デイヴィスの息子だ。 亡くなる直前、ダニエルは、10ヵ月の娘ルビーを前年に死なせた罪に問われていた。死因はヘロインとフェンタニルの急性中毒だった。ルビーが亡くなったのは、ブルックリンのアパートで彼と2人でいたときのことだった。ダニエルのでグラフィックデザイナー

    作家ポール・オースターの息子 父との複雑な関係と薬物死 | 父と継母の小説の「ネタ」にされて…
  • 「大卒の女性が増えると少子化になる」ハンガリーが出した報告書が大問題に | 男子が「過小評価」されている──は本当か

    ハンガリーの国家監査局が、国の教育制度が「あまりにも女性的になっている」リスクについて報告書を出したことが物議を醸している。 英紙「ガーディアン」によれば、同報告書は、「フェミニン化する教育」を「ピンク教育」と表現し、そのリスクについて「ピンク教育は、男子の発達を阻害し、人口問題(少子化)を引き起こす可能性がある」と、述べている。 「もし、国の教育が、“女性の特性”、たとえば、『感情表現の豊かさや、社会的成熟度の高さ』などを好意的に評価する傾向が強まれば、(男女の)平等はかなり弱められてしまうだろう」 そして、こう警告しているという。 「もし、(女子に比べて)より起業家精神に富み、リスクを冒す傾向のある男子の特性が過小評価され、男子たちの自由な成長が阻まれれば、男子たちは精神や行動面において問題を抱えかねないだろう」 ハンガリー当局は、このように警告する理由として、男子たちの「創造性と革新

    「大卒の女性が増えると少子化になる」ハンガリーが出した報告書が大問題に | 男子が「過小評価」されている──は本当か
    usuzumineko
    usuzumineko 2022/08/31
    差別主義者がこだわる中。より良い水を求めて、より平等を求めてあらゆる性の人たちが泳いでいく。生まれで決められた頚城でなく。
  • 英紙が“ゴミの島”を美しく再生した香川県・豊島を称賛「誰でも環境問題に立ち向かえると示した」 | いまも守られる「暗い歴史遺産」

    瀬戸内国際芸術祭の会場としても知られる香川県の離島・豊島(てしま)は、70年代から産業廃棄物の不法投棄に苦しんだ。故郷の美しい風景を取り戻そうと立ち上がった住民の取り組みを英紙が取材。自然を犠牲にした開発や行政の無関心と闘った島の歴史は、環境破壊が世界的規模の課題になる現代にも有益な教訓を与えてくれる。 石井亨は、瀬戸内海に浮かぶ香川県の豊島(てしま)の生まれだ。 彼の脳裏には、引き裂かれたタイヤにバッテリー、どろどろと濁った廃液で荒廃した故郷の様子が焼き付いている。だが彼の記憶は、島の資料館に封印された。資料館の展示は、日常生活に環境破壊が公然と出現したこと、そして一般市民でもその問題に立ち向かえた事実を伝えている。 かつて豊島には、90万トン以上の産業廃棄物が不法に運び込まれ、島の西端近くに投棄された。日国内で史上最悪の不法投棄事件だった。 産廃の山は拡大の一途をたどり、豊島は「ゴミ

    英紙が“ゴミの島”を美しく再生した香川県・豊島を称賛「誰でも環境問題に立ち向かえると示した」 | いまも守られる「暗い歴史遺産」
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