この歌を見た時のことは少しだけ覚えている。歌稿に手書きで書かれていた。京大短歌のホームページの「歌会の記録」によると2011年4月15日のことだったらしい。 綺麗な歌だとは思ったが、別に歌会での評価がそんなに良かったわけではなかったことは覚えている。作者はその時歌会に新入生として参加していた。「高校生の時に作った作品で一番評価が分かれた問題作を持ってきました!」と作者が悪戯っぽく笑いながら言っていたことは覚えている。その後、彼女は京大短歌に在籍していたが、年が暮れる頃に休会したいという旨の丁重なメールを送って去っていった。 話が脇道に逸れていったが、歌に少し触れたいと思う。 「問十二」、「微分せよ」とあるが、基本的にこんな数学の問題はない。こんな問題をテストで見たくない、頭抱えてしまうのがオチだ。だから、この歌が数学の問題の様に見えるのはあくまでも形式上のことであるというのがわかる。 さて