「楽しかった」という体験から改めて、文化芸術の価値を伝えていく —今日は、地域や社会的課題と文化芸術の関係について、いろいろと示唆に富むお話が聞けました。文化にはただ文化として触れるだけではないより広い社会的な可能性があるということを、お2人は以前の対談から仰っていましたが、その可能性はますます広がっていると感じました。最後に、今後の文化のあり方について一言いただけますか? 岸野:今日はアートの話も出たけど、さきほども少し触れた通り、僕は普段はその言葉を使わないようにしているんです。あくまで、単なる「街のお調子者」であることを意識していて。日々の営み、それが充実していることが一番大事ですから。自分がやって楽しくないことは、人にも薦められない。 出口:楽しい場作りをしているだけ、ということですよね。 —そして楽しい場づくりをしていれば、さっきのクリスマス会のように必然的に多様な背景を持つ市民