先日、企業のオフィス内に新設された図書ラウンジを見学させていただいた。蔵書は大変充実しており従業員の方々に頻繁に本を手に取ってもえるようライブラリーの中にミーティングスペースやカフェコーナーが設けられていた。それでも業務に追われる中、読書に時間を割いてもらうのは容易ではなく試行錯誤されているようだった。 文芸評論家の三宅香帆さんの著書「なぜ働いていると本が読めなくなるのか」がベストセラーになった。労働との関係性から読書の歴史を紐解く視点のユニークさが多くの読者を惹き付けた。同時にそれだけ多くの人が今、読書や読書離れに関心があるということも明らかにした。 同書は、時代ごとの労働価値観と照らし合わせ読まれてきた本の足跡を辿っている。明治大正時代から立身出世のビジネス本や自己啓発本が好んで読まれていたことからするとニーズは今と大きく変わらない。書籍以外に情報や知識を得るメディアが増えるに伴い読ま