近年、ITをはじめとして、大手メーカー、金融やサービスなど多種多様な事業会社でインハウスデザイナーの活躍を耳にする機会が増えてきた。 制作こそが花形だったのも過去の話。社会的インパクト、待遇面の優位性、バイネームでも活躍が可視化されやすくなったことなどもあり、著名なクリエイターがインハウスへ移る事例も増えている。 それと並行するように、「インハウスデザイナーの活躍が、大きな企業を変革しつつある」という話を耳にするようにもなった。その代表例とも言えるのが、歴史ある大手メーカーが商品群単位で明らかに品質が上がっていたり、ブランド認知に劇的な変化を遂げたり、複雑なサービスの体験が素晴らしく明瞭になっていたり……といった現象だろう。 そんな中でも、とりわけ目覚ましい成果を生み出しているのがパナソニックだ。例えば、2023年度グッドデザイン賞で金賞受賞した電気シェーバー「ラムダッシュ パームイン」は