朝日新聞のシリーズ「小さないのち」で、厳しい境遇のもとに生まれた子どもの命をどう守り育てていくのかをテーマにした二つの連載「みんなで守る」「育ちを支えて」に、読者からの多くの反響が寄せられました。2回にわたってこの問題を考えます。今回は、「産み捨て」や育児放棄のような虐待を招きかねない「予期せぬ妊娠」について。 性教育の出前授業 「自分を守る力」磨いて 富山県内の中学校で、医師が現実的な性教育の知識を伝える出前授業が行われています。高岡市立福岡中学校で今秋にあった3年生の授業を取材しました。 ◇ 教壇に立ったのは産婦人科医の種部恭子さん。富山市で女性クリニックを開業しています。 「ある15歳の中学生が妊娠し、どうしたらよいか分からず困っていました。ようやく決心して病院に行ったときには妊娠22週を過ぎて『中絶できない』と言われました。彼氏は会ってもくれなくなり、誰にも相談できないまま自宅で出