図1の回路(a)と(b)は,10:1のパッシブ・プローブをオシロスコープに接続した状態の簡易等価回路です.回路(a)のコンデンサ(C1)は10pFで,回路(b)のコンデンサ(C1)は9pFとなっています.このプローブで2kHz,1VPPの矩形波を観察した時,正しい波形が観察できるのはどちらでしょう? 図1 10:1のパッシブ・プローブをオシロスコープに接続した状態の回路(a)と(b) 回路(a)のC1は10pFで,回路(b)のC1は9pFとなっている 回路(a) 10:1のパッシブ・プローブは,どんな周波数でも入力信号を1/10にしてオシロスコープに伝える必要があります.そのためには,図1において,C1/(C1+C2+C3)=R2/(R1+R2)が成り立つような定数となっている必要があります. 回路(b)はC1(9pF)が適正値より小さく,高い周波数で分圧比が大きくなり,高域が減衰する特性
私はこれまで多くのオシロスコープを買って来ました。 最初は頂いたKENWOODのCS-4035から始まり、日立のV-550B、菊水のCOM-7200A、岩通のDS-9122、横河のDL1300、LeCroyの9354A、岩通のSS-7606、そして現在のTektronixのTDS3014Bに至ります。 追記:岩通のSS7802とDS5104も増えました そんなことをしている間にオシロスコープについて色々と学びましたので今回はオシロスコープ初心者向けに実用的なオシロスコープを購入する際の選び方について書きます。 というのも、ネット上を徘徊しているとオシロスコープについての誤解や、残念な選択をされている方が非常に多く見受けられるので、これから始めてオシロスコープを購入しようと考えておられる初心者の方にとって役に立てばと思った次第であります。 かくいう私も初心者に変わりはないので、むち
「マブチモーター」に代表される直流ブラシ付きモーターは、乾電池をつなぐだけで回転する最も身近なモーターの1つです。しかし、Arduinoなど電気的にデリケートなデバイスと一緒に使う際には、モーターから発生するノイズにてこずることが多々あります。 そこで今回は「直流ブラシ付きモーターのノイズ対策」についてお話します。最初にノイズの正体を目で見るため、オシロスコープの波形を観測することから始め、ノイズの正体を把握した上で、適切な電子部品を用いて対策に取り組んでいきたいと思います。 ノイズの正体 モーターから発生するノイズと一口に言っても、電気的なノイズの他に摩擦音や振動もノイズといえます。今回はそのなかでもマイコンに悪影響を及ぼす可能性のある、電気的なノイズについて確認と対策を行います。 「電気的なノイズ」といっても、その正体は一体何でしょう。その正体を突き止めるために実際にモーターへ3Vの電
オシロスコープで使用されるプローブの中で、もっとも汎用的なプローブは「受動プローブ」(または受動電圧プローブ)と呼ばれるものです(写真1)。 受動プローブは、多くのオシロスコープに標準で添付されています。信号の正しい伝送ができるよう十分に考慮されたプローブなので、これさえ使えば何の苦労もなく正しいプロービングができるかと言えば、実はそうではありません。受動プローブという正しい信号伝送を可能とするツールが提供されているだけで、正しい測定のためには正しく使いこなすノウハウを知る必要があるのです。 プローブ補正による失敗例 まず、受動プローブはオシロスコープとの組み合せによる使用前調整(これを「プローブ補正」という)が必須です。これを怠ると、受動プローブを使う意味がありません。それどころか、受動プローブ自身が大きな測定誤差の発生原因になってしまうのです。 図1に実例を示します。 図1は発信器から
ビット誤り率(bit error rate:BER)テスターはデジタル通信において基本となる測定器である。多くの市販BERテスターが入手可能であるが、それらの代わりに安価なものを設計/製作することも容易だ。図1に示す回路は市販のBERテスター並の性能を有するが、表示されたデータに基づいて手計算で結果を出す必要がある。このテスターは受信ビット数と受信したエラービット数しか表示しないため、BERを求めるには電卓などを用いて、表示されたデータから算出しなければならない。 図1のテスターは、FPGAやCPLDのような、プログラマブル・ロジックICを1個と、2個のカウンタ・モジュールを用いて作ることができる。カウンタ・モジュールは、液晶またはLEDを使用したもので、4桁以上を表示でき、オーバーフロー表示機能が付いている市販品を用いる。また、データクロック周期の半分ほどの狭いパルス幅の信号にも対応でき
アドバンテストは3月19日、半導体検査装置、高速通信機器、高周波計測器・部品などに使用されるMEMSリレーを開発したことを発表した。 高周波リレーは現在、電磁駆動や静電駆動によるものが多く普及しているが、電磁駆動はサイズや消費電力が大きい、静電駆動は静電気などの環境に影響されやすく駆動電圧も高いという問題を抱えている。 同社のMEMSリレーは、圧電駆動方式を採用しこれらの問題を解決した。独自の成膜技術により、低駆動電圧に必要な薄さ1μmの圧電膜を実現し、チップ厚は0.9mmとなっている。また、同社が長年培ってきた高周波計測技術により、最大20GHzの高周波伝送に対応する他、12Vの駆動電圧を実現している。半導体試験装置で実績を重ねてきた接点制御技術により、動作の高信頼性も兼ね備えている。 これにより、電磁駆動方式より小型化や省電力で勝り、静電駆動方式より耐環境性や駆動電圧に優れているという
電子機器の動作にさまざまな影響を与えるESD(静電気放電)への対策を講じるには、ESDの試験法について理解しておく必要がある。本稿では、デバイスレベルとシステムレベルに分けてESD試験の手法を説明する。また、産業用機器の開発で利用する機会の多いイミュニティ(耐性)試験も紹介する。 膨大な損失をもたらすESD ESD(Electrostatic Discharge:静電気放電)は、異なる電位にある2つの物体の間で電流が一時的/瞬間的に流れる現象である。装置の動作不具合やネットワークの断絶を引き起こす大きな要因となっており、その結果として年間数千万米ドルにも及ぶ生産機会の喪失をもたらしている。民生用携帯機器から自動製造システム、プロセス制御システム、軍事/航空宇宙向けといったあらゆる電子機器を製造するメーカーは、機器設計の際に適切なESD対策を要求される。またESDには、市場ごとに異なる要件が
今日の高周波数帯域オシロスコープの特徴 デジタル技術で実現されている今日のオシロスコープは、フルにアナログ技術で実現されていたオシロスコープとは大きく特性が異なります。さらにその傾向は、高速シリアル・インタフェースの測定が中核的なアプリケーションである高周波帯域のオシロスコープではより強まります。 オシロスコープの周波数帯域は、DCや1kHz程度の低周波信号に対して、3dB(約30%)振幅が低下する周波数(遮断周波数:Cut-off Frequency)で規定されています。良く設計されたアナログ・オシロスコープの周波数特性は、帯域内でなだらかに減衰し、統計で知られるガウス曲線に近い特性を持っています(図6-21)。 この特性は、パルス信号観測の際に、リンギングやオーバーシュートなどの波形ひずみを発生しないようにするためです。この特性では 振幅測定誤差を1.5%程度に抑えるためには被測定信号
計測機器ベンダ大手Agilent Technologiesの日本法人であるアジレント・テクノロジーは、USB 3.0/2.0プロトコル・アナライザ(USBプロアナ)「U4611A」「U4711B」およびUSB 3.0プロトコルジャマー「U4612A」を発表した。 これらの製品はSirialTekから買収したUSB関連技術を活用したもので、USBプロアナは、最大18GB(U4611Bの場合。U4611Aは2.25/4.5/9GBを選択可能)のトレースバッファと、550MB/s(PCI Express Gen2×4)データ・アップロードによる高速な解析メモリアクセスが特長。すでに同社ではUSBの物理レイヤ向けソリューションの提供は行ってきており、これによりUSBに関するすべてのレイヤをカバーできるようになった。 同社がこれだけの量のメモリを搭載したのは、「エラーが発生するということは、その前段
村田製作所 故障解析センターと神戸大学理学研究科の 木村建次郎講師の研究チームは、電子部品内部の故障箇所を映像化する検査装置を開発したことを発表した。 電子部品の故障解析には断面研磨により故障部位を見つける方法や、X線CTや超音波顕微鏡などによる非破壊検査が一般に用いられている。しかし、断面研磨による解析は部品を破壊してしまうために本当に故障箇所であったかどうかが断定しづらく、X線CTや超音波顕微鏡では電気的な故障箇所の特定ができず、いずれも故障解析手法としては不十分という課題があった。 そこで、研究チームでは、積層セラミックコンデンサやモジュール部品などの電子部品に電流が流れると電子部品の周りには磁場が発生することに着目、その磁場の測定データを基に電子部品周囲において磁場の基礎方程式を解き、得られた磁場分布から電子部品内部の故障箇所を特定する手法を考案した。 同装置では、検査対象となる電
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く