急勾配の碓氷峠で「峠のシェルパ」と呼ばれ、現在は安中市の鉄道テーマパーク「碓氷峠鉄道文化むら」で運転体験できる「EF63形電気機関車(通称ロクサン)」四両のうち二両が、JR貨物関東支社高崎機関区(高崎市)で修理される。運転体験開始から十一年がたち劣化が進んだためで、移送する今月中にもJR横川−高崎駅間で再び鉄路に姿を見せる。 (樋口聡) ロクサンは、旧信越線横川−軽井沢駅間の急勾配を通過する「特急あさま号」などの最後尾に連結され、上りを押し上げ、下りの速度を抑える粘着運転で活躍した。 一九九七年十月の長野新幹線開業に伴い、この区間が廃線となり、横川機関区跡を利用した碓氷峠鉄道文化むらが九九年四月に開園。同年九月、園内に残る旧信越線約四百メートル(当初三百メートル)を使ったロクサンの運転体験が始まった。