教科書検定の見直しを検討している自民党が、教科書出版会社の社長らから意見を聴いたことに対し、日本出版労働組合連合会(本部・東京)は3日、抗議文を安倍晋三首相(自民党総裁)に送った。意見聴取は出版社への「圧力」だとし、「言論・表現・出版等の自由を蹂躙(じゅうりん)するもの」と批判している。 聴取の会合は、5月28日にあった党教育再生実行本部の「教科書検定の在り方特別部会」。東京書籍、実教出版、教育出版の社長や編集責任者が、部会の要請を受けて出席した。 部会幹部などによると、党国会議員から、南京事件、慰安婦問題、竹島などの領土問題、原発稼働の是非などに関する教科書の記述をめぐり、質疑が相次いだ。「経緯の説明が足りない」「偏っている」との意見も出たという。出版社側は「学習指導要領にのっとった記述をし、検定も通っている」などと説明した。 続きを読むこの記事の続きをお読みいただくには、会員登録が
政府の教育再生実行会議が、小学校で英語を正式教科にすることを安倍晋三首相に提言した。国際社会で通用する人材育成を推進、強化するのが狙いという。 国際社会が緊密化する中で、世界で活躍する人材を育てることは確かに重要だ。国際語としての英語を習得する意義も理解できる。 しかし、小学校から英語を本格的に教えることが本当に必要、適切なことなのか、ほかにやるべきことはないのか。疑問や課題も多い。 小学校では既に2011年4月から、全国の小学5、6年で週1時間を基本とした「外国語活動」で英語に接している。これを正式な教科とした場合、英語を指導できる教員の確保が不可欠だ。 担任などが英語の専門性を身に付けるのか、英語専門の教員を配置するのか。外国語指導助手(ALT)の活用を増やすのか。 提言は、英語の教科化に加え、授業時間の増加と4年生以下にも教えることを提唱している。学校現場の負担増は想像に難くない。い
政府の教育再生実行会議(座長・鎌田薫早稲田大総長)は15日、教育委員会制度「改革」に関する提言を安倍晋三首相に提出しました。地方自治体の首長に教育長の任免権を付与した上で、教育長を教育行政の「責任者」と定めて、これに権限を集中。地方教育行政に対して国が「是正・改善の指示」を行えるようにするとしています。 教育委員会は現在、地方自治体の首長が議会の同意を得て任命する原則5人の委員で構成される合議制の機関として、首長が指揮する一般行政から独立しています。そのもとで教育委員会職員が日常的に働いています。委員の互選で教育委員長が選ばれる一方、常勤者である教育長(委員を兼任)が事務を統括。教育長の任命・指揮監督は教育委員会が行っています。 提言は、教育長に権限と責任を集中し、首長が議会の同意を得て教育長を直接任命するだけでなく、罷免しやすくするとしています。首長が自分の考えに従う教育長を起用し、教育
安倍政権が掲げる「教育再生」の狙いと危険性を明らかにしようという緊急シンポジウムが12日、東京都内で開かれました。子どもと教科書全国ネット21と日本民主法律家協会が主催し、約130人が参加しました。 教科書ネットの俵義文事務局長は、安倍政権が「教育の国家統制をあらゆる分野で徹底することをめざしている」と指摘。教科書制度では、学習指導要領と検定基準をより詳細なものにし、文部科学相が「共通に記載すべき事柄」を指定できるようにするなど、事実上の国定教科書をめざしていると述べました。また、アジア諸国とかかわる近現代史の扱いに国際理解と国際協調の見地から配慮を求めた検定基準の「近隣諸国条項」の見直しによって、歴史をわい曲した記述が生まれる危険性を強調しました。 弁護士の村山裕さんは、安倍政権の「いじめ防止対策」について、「道徳教育」の強化といじめる子の排除、統制管理強化であり、これでは解決にはならな
安倍晋三首相は10日の衆院予算委員会で、教科書検定制度について「第1次安倍内閣で教育基本法を変え、愛国心と郷土愛を書いたが、残念ながら検定基準で、改正基本法の精神が生かされていない」と述べ、近現代の歴史に関して近隣アジア諸国への配慮を目的として検定基準に定めている「近隣諸国条項」などを見直す考えを示しました。 首相が教科書検定の見直しを言及したのは初めて。改悪教育基本法に盛り込まれた「愛国心」などを基準にしようとするもので、歴史の逆流の持ち込みにつながりかねません。 下村博文文部科学相は「現状と課題を整理し、見直しについて検討したい」と答えました。自民党の西川京子、日本維新の会の中山成彬両氏への答弁。 文科相はまた、各地の教育委員会が行う教科書採択について「一部の教科書に偏っている状況がある。採択が教育的な視点からなされているか見ていく必要がある」と述べ、教育委員会の自主性を踏みにじってい
八重山地区中学校公民教科書問題をめぐり、採択協議会の答申に基づいて育鵬社版教科書を使用するよう竹富町教育委員会を指導している文科省に抗議する集会(文部科学省の竹富町教育行政介入に抗議する集会実行委員会)が3日夜、石垣市健康福祉センターで開かれた。60人余が参加し、「不当な干渉、介入に断固反対する」とする抗議決議を採択、竹教委と県教委には継続した教育行政を要請することを決めた。 西表在住で中学生の保護者、鈴木昭子さんは「保護者の願いは、信頼する先生や教育委員会が子どもたちにふさわしいと選んでくれた教科書を使ってもらいたいということ」と訴え、波照間島の町民も「子どもたちを動揺させてはならない」と声を上げた。 竹富町の子どもたちに真理を教える教科書採択を求める町民の会など教科書問題にかかわる3団体の代表らは「政治的な力で育鵬社版を竹富町に採択させる狙いがある。是正すべきは文科省だ」「竹教委を孤立
教科書採択で義家政務官が竹富町へ Tweet 政治 2013年3月1日 09時30分(5時間8分前に更新) 八重山地方の採択地区協議会が選んだ「育鵬社」の中学公民教科書を竹富町が拒否し「東京書籍」版を配布している問題で、文部科学省は28日、違法状態が続いているとして、同町を直接指導することを決めた。義家弘介政務官を3月1日に同町へ派遣する。 民主党政権でも文科省は県教育委員会を通じ指導したが、町が寄付で調達した教科書を独自に配布することを容認していた。政権交代により、下村博文文科相らの意向で、強く指導する姿勢を示すことにした。 竹富町は2011年、八重山採択地区協議会(石垣市、竹富町、与那国町)が答申した保守色の強い育鵬社版を拒否し東京書籍版を採択。教科書無償措置法は採択地区内で一つの教科書を使用するよう定めており、文科省は竹富町を無償給付の対象としていなかった。
安倍晋三首相肝いりの政府の「教育再生実行会議」(座長・鎌田薫早稲田大総長)は15日に首相官邸で開いた第2回会合で、いじめ・体罰問題について議論しました。道徳を教科として位置付けることを求める意見が大勢を占めたとして、今月中に予定する次回会合で安倍首相に提出する提言に盛り込む方針です。 鎌田座長は終了後の記者会見で「教科化すべきだとの意見が大勢ということを踏まえて提言を取りまとめる」と述べました。 会合冒頭のあいさつで、安倍首相は「道徳教育の充実は大切」と強調するとともに、「スピード感を持っていじめ対策を充実し、与党とも連携して法制化につなげたい」と発言しました。 道徳の教科化は、第1次安倍内閣が設置した「教育再生会議」も提言しましたが、世論や学校現場の批判で断念された経緯があります。 また、委員から「文部科学省がいじめや体罰の定義、範囲を明確にすべきだ」との意見が出たことを受け、下村博文文
政府は26日までに、文部科学省が求めていた2013年度から5年間で公立小・中学校の全学年で35人学級を実現する計画を見送る方針を固めました。 長年の国民の運動と日本共産党の国会などでの要求によって、民主党政権下の11年度から小学1年については法改正で35人学級が実現、12年度は予算措置によって小学2年の35人学級が全国でほぼ実現しています。 文科省はさらに、13年度からの5年計画で中学3年までの35人学級実現をめざし、初年度分として13年度予算の概算要求(政権交代後の再提出)で113億円を盛り込んでいました。 それに対し、財務相の諮問機関である財政制度審議会は、▽「費用対効果の観点」から少人数学級の効果が明らかでない▽公務員の人件費削減が求められている―などとして、教職員定数の改善に難色を示していました。 安倍政権は、「教育再生」を「経済再生」と並ぶ「最重要課題」としていますが、中3までの
自民党の安倍総裁は5日午前のTBSの番組で、田中文部科学相が3大学の新設申請を不認可とした問題について、「審議会が答申し、専門家がオーケーしている。こんな形で急に変更するのは間違っている。(申請を)認めていくべきだ」と述べ、田中氏を批判した。 安倍氏は、田中氏が小泉内閣で外相に就任した際の行動にも触れ、「彼女を褒める人を私は一人も見たことがない。尋常な人ではない」と指摘した。 安倍氏は、自民党が政権に復帰した場合の大学新設の対応について、「根本的な見直しはしようと思っている」と語った。ただ、「(文科相が不認可とする)こんな急展開にはしない」と強調し、新設の是非に関して文科相に政治判断をさせないとした。
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く