出荷できないまま積み上げられた卵。永島養鶏場では1日約1万個ずつ増えていく=1日午前10時51分、島根県東出雲町、高橋正徳撮影 島根県安来市の養鶏場の鶏に感染した高病原性鳥インフルエンザは、鶏の移動や卵の出荷が制限されている半径10キロ内の養鶏場にも深刻な影響を与えている。 「スーパーでは1パック98円かもしらんが、1個の卵を出荷するためにどれだけ頑張っとるか……」 島根県東出雲町の「永島養鶏場」を経営する永島徹さん(60)はそう漏らした。高病原性の鳥インフルエンザが発生した安来市の養鶏場から約4キロ。移動制限区域(半径10キロ以内)に入ってしまい、11月29日夜から、島根、鳥取両県のスーパーに1日1万個販売していた卵はすべて出荷できなくなった。 養鶏業者になって約40年。1棟だった鶏舎は6棟に、従業員は8人に増えた。毎日、午前5時から午後9時ごろまで、約1万3千羽の鶏にエサをやっ