太平洋戦争末期、日比谷図書館(東京)の館長として約40万冊の貴重な本を戦火から守った、甲賀市出身の中田邦造らの姿を追ったドキュメンタリー映画の上映会が9日、湖南市の市立甲西図書館であった。映画を制作した金高謙二監督(59)は「戦時下に、後世のために本と文化を残そうと力を尽くした人のことを知ってほしい」と訴えた。 上映されたのは、映画「疎開した40万冊の図書」。金高監督が手弁当で約3年かけて完成させた。 主人公のひとり、中田邦造は、日比谷図書館の貴重な文献などを戦火から守ろうと図書の疎開を実施。さらに、古書店主らの協力を得て、学者や研究者らの手元にあった本を買い上げ、袋に詰めたり、大八車に乗せたりして、埼玉県の農家や寺の土蔵などへ運んだ。疎開の作業は図書館職員や都立一中(現在の日比谷高校)の生徒らが担った。 日比谷図書館はその後、米軍の… こちらは有料会員限定記事です。有料会員になると続きを