東日本大震災の被災者1020人が身を寄せた宮城県岩沼市のプレハブ仮設住宅384戸の入居者が全員退去し、同市の仮設住宅が全て解消された。津波に見舞われた宮城県内の沿岸市町で最も早い。解体作業は大型連休明けの5月中旬以降、本格化する。 同市の仮設住宅は「里の杜東」(162戸)「里の杜西」(同)「里の杜南」(60戸)の3カ所。住民全員が入居5年の期限となる28日までに退去し、集団移転先の玉浦西地区の災害公営住宅や、市内に自力再建した自宅に移った。 仮設住宅では同日、エアコンの取り外し作業が始まった。解体後、里の杜東と南は採石を敷くなどして所有する市開発公社に返還される。西は元の多目的グラウンドとして利用する。 現地で同日あった閉所式には、元入居者ら約100人が出席。菊地啓夫市長が「残る復興事業を進め、さらに素晴らしい岩沼にしたい」と述べた。元入居者で玉浦西地区の主婦桜井よしみさん(69)が